ブックタイトル森林のたより 746号 2015年11月

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概要

森林のたより 746号 2015年11月

更することで地域住民が山へ入る前に処分できる。これまでの捕獲は、朝になり、捕獲状況を確認した上で体制を作る必要があったが、本カメラを使うことで半日早く状況を把握し、体制構築ができるようになる。捕獲人材が少ない地域では、見廻り労力が省けるだけでなく、捕獲時の体制への負担も軽減できる。【トレイルカメラSP158の利用~その2追払い~】近年、ニホンザルが集落へ出没することが増えてきた(図3)。ニホンザルの防除対策としては、追払いとサル用柵である。柵の設置が不十分である場合、追払いを行う必要があるが、これまではサルを観察した人がロケット花火で追い払っていた。しかし人がいない状態だとサルは田畑の収穫物を食べてしまい、被害が発生する。このカメラを集落周辺の出没地域へ適量を配置することで、サルが撮影された画像が直接メールで配信されるため、より早く追払い体制を作ることができる。配信するアドレスは4つまで設定できるので、集落内で中心となる人たちの誰かがいち早く対応することも可能である。設定したメールのサーバー側の転送先に関係者全員のメールアドレスを入力しておけば、全員が一斉に現状を知ることもできる。サルの追払いは、4人以上の集団が集落の外までロケット花火等を用いて、追い出すことが有効とされている。このトレイルカメラタイプであれば、出没状況に合わせて、カメラの位置を随時変更することもできるので、柔軟で効率的な防除体制を構築できる。この他、ツキノワグマの出没への対応にも適用できる。【トレイルカメラSP158の利用~その3定点観察~】トレイルカメラは、赤外線センサーが感知して撮影するモードが使われるが、このモードの他に定期的に撮影するインターバル撮影モード(タイムプラス機能)がある。これを使えば、積雪状況や植物の生長を観察することができる。また、温度センサーが内蔵されているため、気温情報も知ることができる。【まとめ】技術が日進月歩で進化していく中、これまでは高価でできなかった手法が手軽にできるようになった。少々高いと思われる本カメラも見廻り・点検の人件費や旅費、得られる情報の価値を考えれば、すぐ元がとれるであろう。現在、各分野で人材が高齢化や不足している。この現状でいち早く情報を得ることは、より効率のよい労力配分を可能とし、効果的な人材育成にもつながる。図2.ニホンジカが捕獲される直前と直後図3.集落へ近づくニホンザルMORINOTAYORIMORINOTAYORI11