ブックタイトル森林のたより 746号 2015年11月

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概要

森林のたより 746号 2015年11月

地域の人中濃農林事務所管内で、長年、製材関係の仕事をしている会社が始めた、所有林を活かす新たな取組みについて話を伺いました。桑原木材工業株式会社の概要関市洞戸地内で昭和二十八年から製材業を始め、その後、住宅建築も営まれています。今では年間約二千立方メートルの県産材スギ、ヒノキの製材と販売、住宅建築まで幅広く事業を展開されています。また昭和三十年頃から山林の取得を始めたとのことですが、当時、一ヘクタールの山林を四か月かけて伐採搬出していたため、年間三ヘクタールが限度とのことでした。作業員十三名ほどで皆伐し、架線を使用して搬出後に、スギ、ヒノキ等を植栽されたそうです。その後は、隣接の美濃市などで山林を取得され、現在は二百三十ヘクタールの所有林で、森林経営に取り組まれています。チャレンジのきっかけ先代から引き継いだ山林を再評価し、さらに価値を高めようとの思いから、新たな取組みにチャレンジされました。桑原社長が語る新たな取組み平成二十五年度に所有林の現地調査等を実施し、森林経営計画を作成し、平成二十六年度に認定を受けました。施業の計画的な実施、山林の適正管理に加え、所有林の森林資源を製材・建築に直接的に利用する取組みを行いました。今年度は、初めて森林整備の補助制度を利用した森林作業道の開設(千二百メートル余)や搬出間伐(四百立方メートル程度を予定)に取り組んでいます。複雑な補助金の手続きや、森林作業道の開設に伴う許認可取得、あるいは周辺の土地所有者への説明など、すべてが初めてのことで、大変な作業でしたが、農林事務所の方の協力を得ながら進めることができました。取組みへの仕組みづくり《女性の参画》現状の建築関係等を維持・発展させるには、会社と家族が一体となって取組みを進める必要を感じ、今回から息子の嫁にも加わってもらっています。嫁は、森林経営計画の実行監理、森林整備の補助金手続き等、普通なら森林組合に任せるような専門性の高い仕事を受け持っています。また、県庁や農林事務所の担当者との調整も積極的に行ってくれ、非常に心強く思っています。新たな思いを吹き込みたいこの取組みによる成果が生まれつつあります。将来的には、森林への関心が薄れ、財産としての価値を見いだせず森林を持て余している所有者へ働きかけを行い、地域の森林の維持管理に貢献したいと思っています。また、自分自身ももっと「林業を極め」、育てた経歴のわかる木を製材・建築し、施主に届ける「顔の見える家づくり」を引き続き進めたいと考えています。●詳しい内容を知りたい方はTEL0575ー33ー4011内線(230)中濃農林事務所まで【中濃農林事務所林業課林業普及指導員古川勇人】桑原木材工業株式会社代表取締役桑原和男さん木材生産から建築までの一貫システムの取組み作業の安全を祈る地鎮祭の模様桑原木材工業製材工場にてMORINOTAYORI 12