ブックタイトル森林のたより 746号 2015年11月

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概要

森林のたより 746号 2015年11月

国有林とは今号から一年弱にわたって岐阜県内の国有林に関する取組みを紹介させていただきます。多くの皆さんに、国有林について知っていただく機会になれば幸いです。一般的に「国有林」とは国が所有して直接、管理経営を行っている森林のことで、日本の森林二五○○万ヘクタールの約三割にあたる約七六○万ヘクタールを占めています。一方、県や市町村が所有する公有林と個人や企業が所有する私有林は合わせて「民有林」と呼ばれ、日本の森林の約7割を占めています。中部地方の国有林国有林は、林野庁の下、全国七つの森林管理局の下で管理経営を行っており、中部森林管理局は、岐阜県のほか富山県、長野県、愛知県の四県に所在する国有林を管轄しています。長野県長野市に本局を置き、管内に設置している十一の森林管理署・支署・森林管理事務所が直接管理しています。中部森林管理局の所管する国有林は、管内の森林の約三割に当たる六五万ヘクタールで、日本の屋根と言われる日本アルプスをはじめ、奥地の急峻な山岳地域に多く所在し、原生的な森林や高山植物等の希少な野生動植物の生息地など学術的に重要な箇所も多く有しています。管内の国有林の人工林割合は二七%でカラマツとヒノキが主となっています。これらの人工林から伐採・供給する木材(丸太)は年間約二五万立方メートルに上り、管内四県における全木材供給量の約二割を占めています。岐阜県の国有林岐阜県内の国有林は約一七万ヘクタールで県内の森林の二割を占めています。国有林は、富山、石川、福井、長野県境などの奥地山岳部に多く立地し、八割が飛騨地域に所在しています。国有林内の著名な山岳として、北アルプス(槍ヶ岳、穂高岳など)、乗鞍岳、御嶽山、白山、恵那山などがあり、岐阜市のシンボル金華山もその多くが国有林です。県内には、高山市、飛騨市等の国有林を管轄する飛騨森林管理署(高山市)、東は下呂市から西は揖斐川町までの国有林を管轄する岐阜森林管理署(下呂市小坂町)、中津川市、恵那市等の国有林を管轄する東濃森林管理署(中津川市付知町)のほか、下呂市に森林技術・支援センターがあります。県内の国有林の人工林率は約三五%で、県の森林全体の人工林率は四五%ですから、奥地に位置する分、民有林に比べて人工林の割合は低くなっています。人工林の樹種としては、ヒノキ、カラマツが多くを占めています。なお、岐阜県内にはカラマツ人工林は多くありませんが、その7割は国有林のものです。県内の国有林で生産する木材(丸太)は約五万立方メートル(昨年度実績)で県内の木材供給量の約一割を占めています。このほかに、立木のまま民間企業等に販売する「立木販売」があり、昨年度は入札の結果、約一万立方メートルを販売しました。木材供給に占める割合と比べて多いのが造林(植林)で、今年度県内で行われる造林の約二割を占めており、約十五万本の苗木を植栽する計画です。造林の低コスト化に向けて近年国内で導入が進んでいる「コンテナ苗」も積極的に取り入れており、今年度は苗木の約五割、約八万本を植栽する計画です。個々の森林管理署の取組みや木材供給、低コスト造林などの具体的な取組みについては、次号から紹介させていただきますので、ご期待ください。●詳しい内容を知りたい方はTEL050ー3160ー6506中部森林管理局企画調整課までぎふの国有林、今中部地方の国有林について林野庁中部森林管理局企画調整課長天田慎一1MORINOTAYORI 16