ブックタイトル森林のたより 748号 2016年01月

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概要

森林のたより 748号 2016年01月

地域の人平成二十三年九月六日に、郡上市明宝で、「明宝山里研究会」が設立され、「山を元気にすること」「明宝地域を元気にすること」を目的として活動が行われていますので、会長の松山さんに話を伺いました。設立の経緯平成二十二年度に「郡上市過疎地域自立促進事業」を活用して「めいほう里山もくもく市場開設実証事業」を実施しました。この事業の目的は、明宝(山里)の暮らしのなかに潜在する〝豊かな山の恵みと高齢者の知恵や技術?を活かす仕組みを実証し、地域を活気づかせるための一手段として「副業型林業による集落型地域ビジネスモデル」を確立することです。また、「身近な山に目を向ける(関心を向ける)」きっかけをつくり、「山離れ」に歯止めをかけて、山(森林)と密接な関係を持ち、「山からの恵み」を享受して暮らすことについて見つめ直すものです。具体的な内容としては、林地に残る間伐材を山から搬出して集め、主に薪ストーブの燃料用原木として販売する試みを実証しましたこ。の実証事業に係わった人のほとんどが「自分達でもできる」「自分たちの経験が活かせる」と手応えを感じ、「明宝山里研究会」を設立しました。「木の駅プロジェクト」について全国で広まりつつある「木の駅プロジェクト」は、有志を募って実行委員会を立ち上げ、林地残材を搬出してチップ工場等に販売することを基本とし、助成金等を原資として材の買取り価格に上乗せしたうえで、現金ではなく地域通貨で出荷者に支払うことが条件とされています。しかしながら、「明宝山里研究会」は、経済活動として自立と持続を目標にしているため、助成金等による出材価格の上乗せが削除されたときに、事業が継続できなくなると考え、「木の駅プロジェクト」の方式を選択しませんでした。とはいえ趣旨そのものは共通する部分が多いので、「木の駅プロジェクト」に関連する集まりには声がかかっています。現在の活動内容1めいほう里山もくもく市場山々に囲まれ、自然豊かな明宝は、昔から、山の恵みを無駄なく活かし、その資源を暮らしに役立ててきた山里です。過疎化・高齢化の進む山里の森を守り、明るく元気な暮らしを実現したいという想いから、山に眠る「間伐材」の有効活用に着目し、山の価値を見つめ直し、山づくり、地域づくりを進めるため、年二回、間伐材の原木や薪を販売しています。2森林整備居住環境を維持するため、各種の助成金を活用し、住居の裏山で未整備森林の除間伐や植栽、作業道開設等を実施しています。また、獣害対策として、けものが潜伏しやすい地域内の未整備里山林の除間伐や獣害防護柵等の設置を実施しています。3植樹イベント山の現状から間伐の必要性を感じ、木を伐ることを中心に活動していますが、将来を見据えて、年一回、春の時期に植樹活動を行っています。「せせらぎ街道・郡上めいほうの森をみんなでつくろう!」を合言葉に、一般参加者を募ったイベント形式で、「せせらぎ街道植樹祭」を開催しています。この植樹祭には、郡上市内や県内外からの参加者もみえます。4木質バイオマス燃料の供給平成二十六年十二月から木質系ボイラーが導入された温泉施設への薪の供給や、社会福祉協議会のデイサービスセンターが木質系ボイラーを導入するので、その施設への薪の供給を行っていきます。これから五年目に入った活動ですが、今後も薪材の販売に集約することなく山の資源・高齢者の知恵と技術を地域(山里)の暮らしに活かす取組みや薪材等を媒体とした都市と山間地との交流事業として植樹イベントなどを継続していきます。今後とも、明宝山里研究会の皆さんが、地域と都市との交流活動を通じた地域づくりで、益々ご活躍されますことを期待します。●詳しい内容を知りたい方はTEL0575ー67ー1111内線(251)郡上農林事務所まで【郡上農林事務所林業普及指導員吉田晃】明宝山里研究会会長松山誠美さん山を守り、地域を元気に!めいほう里山もくもく市場植樹イベント明宝山里研究会MORINOTAYORIMORINOTAYORI11