ブックタイトル森林のたより 748号 2016年01月

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概要

森林のたより 748号 2016年01月

普及コーナー次世代型林業架線研修を開催しました■森林文化アカデミー森林技術開発・支援センター林業普及指導員長屋公三4実習内容本来ならば、現地調査から始まり、架設位置決め、先柱決め、控え索用の株決め、支間測量、中間支柱の必要の有無等の事前準備が必要となりますが、今回は、タワーヤーダ実演会で一度架設した場所を再利用したため、こうした事前準備が省略でき、3日間という短い研修期間ではありましたが、架設、集材、撤去の一連の実習を濃密に行うことができました。ⅰ架設作業実習実演会で使った先柱と控え索用の株を使ったので、手際よく架設作業が進むことを期待したのですが、研修受講者にとって今回の機種は、日頃使う機械に比べ、太いワイヤ類など、資材類が大きいこともあって、扱いに苦戦しました。特に、主索を先柱に設置するためのサドルブロックの取り付けでは、慣れない高所作業である上に、太くて硬いワイヤ台付を思うように扱えないため巧く柱に巻くことができず、柱上作業者が力尽きて途中交代する場面もありました。(写真1)思いの外、苦戦した架設作業でしたが、受講者の皆さんは初めて体験する平成27年10月13日~15日に4名の受講者を迎えて「次世代型林業架線研修」を開催しましたので報告します。「次世代型林業架線」とは従来から実施されてきた各種架線集材方法(集材機を使った本格架線、簡易架線、自走式搬器、スイングヤーダ等)に対し、自動走行機能や自動停止機能、過負荷防止装置等、より高能率で安全性の高い機能を有するとともに、索や搬器の高速化や、より大きな吊り上げ荷重に対応した最新のタワーヤーダや高性能自走式搬器を総称して、岐阜県では「次世代型林業架線」と呼んでいます。研修内容1使用した機械今回の研修では、林野庁の先進的林業機械緊急実証・普及事業により開発され、熊本県の(株)泉林業に導入されているタワーヤーダTY‐U5Cと同型の試作デモ機を、製造元であるイワフジ工業(株)より借り受けて、研修を開催することができました。イワフジ工業(株)は従来からTY‐U3Bというタワーヤーダを製造販売していましたが、TY‐U5Cはさらに大型化、高出力化によって集材距離を伸ばすとともに、搬器速度と吊り上げ荷重の増加が図られています。更に、搬器に一度停止した位置を記憶させ、2度目からはこの位置で自動停止させることができます。また、この機種は従来機でも海外製の機種でもできなかった、エンドレスタイラー方式索張りを可能とした、5胴式タワーヤーダです。集材機のエンドレスタイラー式索張りと同様に、ロージングブロックを任意の地点までタワーヤーダの動力で引き込むことができるため、荷掛け者への労働負荷を抑え、特に、尾根と谷が入り組んだ複雑な地形での皆伐作業に威力を発揮すると期待されています。(図1)2研修地の概要2015森林・林業・環境機械展示実演会に併催して行ったタワーヤーダ実演会の会場である、高山市一之宮町の高山市有林をそのまま研修会場として借用させていただきました。アカマツとコナラやミズナラ、ホオノキ、ソヨゴなどの広葉樹が混生する二次林で、普段、スギやヒノキの人工林での間伐作業が多い研修受講者には新鮮な気持ちで研修に取り組んでいただけたと思います。図1タワーヤーダによるエンドレスタイラー式索張り写真1サドルブロックの取付け作業(先柱)MORINOTAYORI 16