ブックタイトル森林のたより 748号 2016年01月

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概要

森林のたより 748号 2016年01月

●詳しい内容を知りたい方はTEL0575ー35ー2535森林技術開発・支援センターしかし、荷掛け者と操作者の間の無線のやり取りに落とし穴がありました。異なる地区の異なる事業体から集まった受講者達であり、架線の経験にも差が有るため、使う用語の違いと、架線用語の理解度の違いが、無線連絡に混乱を招きました。例えば、搬器をタワー側に走らせる場合と先柱側に走らせる場合の指示の用語だけでも、「搬器土場、搬器山」「搬器戻し、搬器送り」「搬器山、搬器谷」などが有り、異なる事業体で使う用語から搬器の動き方を即座にイメージできず、作業が滞ってしまいます。また、荷掛けされた実搬器をタワー側に走らせる場合の「発車」やワイヤを巻き戻して緩める場合の「パン」など、架線経験が無いと「???」となってしまう言葉もあり、初めて架線に触れた受講者は、かなり混乱したことと思います。実際に何度も聞き返して確認してから操作をする場面が見られました。そこで、研修中は用語を統一して一つの動きに一つの用語を使うようにしたことで、ずいぶんとスムーズに集材実習が進むようになりました。(写真5)タワーヤーダの架設作業に、真剣に取り組み、多くのことを習得しようという意気込みが伝わってきました。(写真2)ⅱ集材作業実習タワーヤーダの操作と先山での荷掛け作業に受講者を各2名配置し、イワフジ工業の講師の方にも各1名ずつ就いていただいて、集材実習を行いました初。めて使う機械の複雑そうに見える操作盤(写真3)を、最初は恐る恐る操作していましたが、実際に使用するレバーやボタンは僅かなため、しばらくするとスムーズに搬器やロージングブロックが動くようになりました。(写真4)先山の指示に従って操作をすること、不明解な指示は聞き直すこと、作業メンバー全員が同じ用語を使うことの大切さを実感したことと思います。ⅲ撤収作業実習本架線やスイングヤーダと同様に、タワーヤーダであっても、撤収作業は基本的に架設作業と逆の順に行います。スイングヤーダと比べれば大がかりで沢山の資材があるため、大変に感じた受講者もいたかもしれませんが、タワーヤーダのありがたみを架設作業や集材作業以上に感じることができるのが撤収作業です。主索を下ろした後に、主索を下ろしたことで不要になった先柱関係資材をホールラインとホールバックラインでハイリード式索張り(いわゆる張り張り)を組んで引き上げたので、重い資材を人力で担ぎ上げる必要がありませんでした。(写真6)またタワーヤーダは、先柱の控え索以外の全ての索を、本体のドラムで巻き取って撤収できるので、本架線や自走式搬器と比べると安全で非常に楽に索の撤収作業をすることができました。5研修を終えて僅か3日間の研修ではありましたが、4名の受講者の皆さんは、タワーヤーダについて学んだだけでなく、林業技術者として必要な様々な事項を再確認する機会にしていただけたことと思います。今後、タワーヤーダを使用する機会の有る無しに関わらず、研修で習得した事項や受講者同士で学びあったことを、各職場に持ち帰って日頃の業務に活かしていただけることを期待しています。謝辞研修を開催するにあたり、現地の使用に格別なご配慮を賜りました高山市、タワーヤーダをお貸しくださり、研修講師も派遣してくださったイワフジ工業(株)、受講者を快く研修に出してくださった各事業体の代表の方及びチームの皆様に対し、この紙面をお借りして心より厚く御礼申し上げます。写真2控え索に関する講師の解説写真3タワーヤーダの操作盤写真4タワーヤーダの操作写真5集材作業写真6ハイリード式索張りによる先柱資材撤収MORINOTAYORIMORINOTAYORI17