ブックタイトル森林のたより 748号 2016年01月

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概要

森林のたより 748号 2016年01月

新年あけましておめでとうございます。皆様には、健やかに新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。昨年は、長良川上中流域が世界農業遺産に認定され、県内数々の清流の源である森林づくりの大切さを改めて認識し、気持ちを新たにしたところです。また、10月には第39回全国育樹祭が開催され、県の森林・林業・木材産業にとって記念すべき年となりました。特に、お手入れ行事では、全国育樹祭で初めての間伐を皇太子殿下に行っていただき、世代をつないで森林を守る大切さを全国に発信することができました。関係各位のご尽力、皆さまのご理解とご協力により、大成功のうちに終えることができましたこと、この場をお借りしてお礼申し上げます。さて、県では第2期岐阜県森林づくり基本計画に基づき、林業活動を重視した「生きた森林づくり」と環境保全を重視した「恵みの森林づくり」に取り組んでいます。「生きた森林づくり」では、昨年9月、郡上市において大型製材工場が竣工しました。今年は、欧州製タワーヤーダを使用した架線集材の研修、全国初の民間企業との連携による苗木生産が始まる予定であり、木を植え、育て、伐って利用するという林業・木材産業の循環体制の整備に向けた大きな節目の年となります。一方で、TPP交渉が大筋で合意に至るなど、林業・木材産業をとりまく状況は年々変化しており、一歩先を行く林業県となるよう知恵を出し合っていきたいと思います。「恵みの森林づくり」では、清流の国ぎふ森林・環境税を活用して、水源林・里山林の整備や公共施設等の木造化に対する支援、「ぎふ木育ひろば」を活用した人づくりなどを行っており、今後も、これらの事業を着実に進めていきます。また、災害防止や環境保全といった森林に対するニーズに応えるため、今後も間伐事業や治山事業を推進し、県民の皆様の安全安心の確保に努めていきます。本年、岐阜県森林づくり基本計画の見直し時期にあたり、「次世代への継承」をテーマとした育樹祭の成果を踏まえ、新たに「100年先の森林づくり」を盛り込んでいきたいと考えております。成熟した資源を利用しつつ、次の世代のためにどのような森林を創っていくのか、今まさに、自然条件や資源量、地域の生活環境・文化などを考慮して、伐採後のあるべき森林の姿を考える時期に来ています。100年先を視野に入れた地域毎の望ましい森林配置の計画づくり「100年先の森林づくり」に取り組んでいきたいと思いますので、皆様のご意見、ご提案をお寄せいただきますようお願いいたします。最後になりましたが、本年が県の森林・林業・木材産業の飛躍の年となりますよう祈念申し上げ、年頭のご挨拶とさせていただきます。年頭のご挨拶岐阜県林政部長瀬上繁隆新年あけましておめでとうございます。謹んで新春のお喜びを申しあげます。昨年は、岐阜県において全国育樹祭が開催された記念すべき年でもありました。また、昨年秋には、郡上市内で整備が進められてきた大型製材工場が本格稼働を開始しました。中津川市の合板工場や瑞穂市の木質バイオマス発電施設に続き整備された製材工場の本格稼働は、地元雇用の拡大など地域活性化への貢献ばかりでなく、岐阜県での木材需要の大きな受け皿となることが期待されています。一方、これら増大した木材需要に対応する安定的な木材供給が、山側に課せられた役割でもあります。木材の安定供給と持続的な林業経営の構築。林業関係者が一丸となって取り組むべき課題とも言えます。こうした中、伐採後の再造林を妨げる大きな要因として、ニホンジカの増加、生息域の拡大があります。県ではニホンジカの特定鳥獣保護管理計画を策定し、個体数調整捕獲も本格化させています。平成26年度には狩猟捕獲と合わせ、県内で1万7千頭余りが捕獲され、27年は出没や被害も若干少なくなったように思われます。しかしながら、安心して植栽ができる状態に戻すには、行政と林業関係者と猟友会等狩猟者が一層協力して取り組んでいく必要があります。また、昨年も、全国的には、鬼怒川の氾濫など各地で甚大な豪雨災害が発生し、各地の火山も活動を活発化させています。県内においては、一昨年の御嶽山噴火は、その後小康状態を保っていますが、一昨年末からの豪雪により、多くの森林で倒木が発生し、この倒木により生活道路や電線など生活インフラが切断され、長期間にわたり停電が続いた集落もありました。森林整備・管理の必要性を改めて感じた自然災害でした。毎年のように発生する自然災害の被害軽減のため、行政により県土強靱化対策を進めていただく必要がありますが、地域に住む人たち自らも、里山地帯などでの森林整備を活発化させていく必要があります。現在、「清流の国ぎふ森林・環境基金事業」や国の「森林・山村多面的機能発揮対策交付金事業」を活用して、地域住民やNPOなどにより徐々に整備が進められています。この森林・環境基金については、平成28年度が当初予定の終期となっていますが、まだまだ整備すべき森林は多く、29年度以降も継続が望まれるところです。岐阜県の財産とも言うべき森林を守り・育て、未来に繋いで行くためには県民の皆さんの理解と協力が不可欠です。山林協会としましても、県民の皆さんや森林・林業の現場と行政との架け橋として、「清流の国ぎふ」づくりのための活動を充実させていきます。改めてまして、皆様方の一層のご支援をお願いしますとともに、新しい年が皆様方にとって幸多い年でありますことを祈念し、新年の挨拶とさせていただきます。新年のご挨拶(公社)岐阜県山林協会会長日置敏明MORINOTAYORIMORINOTAYORI3