ブックタイトル森林のたより 748号 2016年01月

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概要

森林のたより 748号 2016年01月

【森の名手・名人編集担当公益社団法人岐阜県緑化推進委員会専務理事臼井征雄】※原本は長文のため、文章の一部を割愛しています。●生年月日:昭和3年1月10日生まれ●職業:コウヤマキの枝採取、ホオノキの葉採取岩谷庄精さんのプロフィールいわやしょうせい地元の郡上市内で55年間、岩谷木材を経営。現在は長年の経験を生かし、ホオノキの葉の採取やコウヤマキの挿し木増殖を実施している。後継者の育成のためにコウヤマキやホオノキの栽培の指導をおこなっている。名人も儲からんけど。それからは、儲かるわけなんや。わしらは、歳がよっとるもんで、真面目な人が後継者になり、コウヤマキやホオノキについて一人でも教えてやれば教えてもらう人も嬉しいと思うし、わしも嬉しい。若い人で中々、そうゆう人がおらないのが問題やし、やり過ぎれば重労働やし。何か希望がもてる気がするんやけど、まだわからん。後1、2年してみないと。12.仕事をしていて良かったと思うときコウヤマキを美並町の山で植林して、ほとんど根が出たときは嬉しかった。やっぱり、植え方ばっかしじゃなしに天候の加減で植えた後、2、3日雨が降ってね。しかも、本当に山の乾いたところに。いい天気が続くと、山に水をもってきて水をあげるわけにはいかないでしょ。天気のおかげで運よく雨が降ると植えたのに根が出たね。あのときは、嬉しかった。りしてしまうから、今年は曲がらないように樹冠を紐で縛って雪が積もらないようにしておこうと思ってるんや。9.コウヤマキの枝の採取について郡上市ではコウヤマキを専門に採ってる人はいないけど、下呂の方では3人ぐらい郡上の山でコウヤマキを採っては売っている人がいるんや。高野山へも売ってるらしんや。その人たちも山の尾根まで登って、採っとるんやね。それも、1日中採っては背中におんで。もうそういう人も、そんな山の尾根まで行かないからね。10.研究中今度は、挿し木だけではなく、コウヤマキの種を山の尾根まで、採りに行こうと思ってるんや。種から育てれば挿し木で根が出る確率より、育つ確率が大きいだろうで。でも、種から育てるなら、肥料や土から研究をしなおさなきゃいかんな。大和町の重機で固めた山にコウヤマキは育ちが悪かったが、ホオノキを植えて育ててみようと思う。11.後継者について若い人がコウヤマキだけで生計をたてるのはできないから。ただ、わしが思ってるのは、高野山に行ってコウヤマキの本家で出荷できるかどうか、コウヤマキがどうゆうもんかを調べてきて、コウヤマキを種から育てていって、大量にやったら利益がでてコウヤマキだけで暮らしていけるか聞いてみたい。わしの計算は5年かかっても、5年間は一銭行くには30分も1時間も山を歩いて行かないといけないので、中々大変やもんで。ほんで、コウヤマキを採りに行く人がいたら、他の人が「うちのも採ってきて」と頼んでいるのを見て、コウヤマキを平地にもってこうと思いついたんや。平地でコウヤマキを作れば、誰でも採れるし。8.コウヤマキの研究挿し木試験は、コウヤマキの枝を切って発泡スチロールの箱に植えておくんや。これがね、皆さんどうしても駄目やそうやわ。挿し木試験をしてる人は、今まで聞いた範囲では100本植えて20本根が出たら成功したほうらしいわ。コウヤマキの挿し木の栽培では、特別なことは何もしてないんや。ただ、挿し木の余分な葉っぱは、採ってみようと思いました。美並町の山では平地での生育に成功してるよ。大和町の山では雪が沢山降って曲がったマキがなければお盆ができないことで。コウヤマキはスギやヒノキの材と比べるとよいところは、船なんか作ったり水桶を作るのに節があっても抜け節がないから抜けんのやわな。ほんで、桶ができても水は漏れんし。わしらは、今までコウヤマキは山の尾根にしかないものやと思っていました。コウヤマキは山の低い所には全然ないからね。でも、郡上市役所の方に話を聞いたら、大昔の話やろうと思うけど、昔は、平地にでもコウヤマキは生えていたらしいんや。でも、スギやほかの木のせいで山の尾根まで追われていったんや。なんせ、コウヤマキは成長するのに他の木と一緒では負けてしまうんで、生きるために山の尾根まで行くしかなかった。7.コウヤマキの研究のきっかけコウヤマキは山の尾根にあるから、採りにコウヤマキの枝を切る名人大和町の山のコウヤマキの挿し木試験MORINOTAYORIMORINOTAYORI7