ブックタイトル森林のたより 750号 2016年03月

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概要

森林のたより 750号 2016年03月

活かす知恵とを森林人39木材が取り持つこれからの建築●詳しい内容を知りたい方はTEL(0575)35ー2525森林文化アカデミーまで岐阜県立森林文化アカデミー准教授●廣田桂子博士●新しい住宅・これからの建築3月旅立ちの時、本学岐阜県立森林文化アカデミーも卒業シーズン。卒業、就職、転勤で引っ越しを計画の方も多いかと思います。そんな時、どんなお家をお探しでしょうか?家探しと聞いて、頭をよぎるのは、1K、2DK、3LDKなどという単語ではないでしょうか。これらの住宅形式が、第3世代。ちょっと前まで主流であった郊外型住宅です。住宅の平均寿命が約30年。郊外型の住宅建築は1920年代から始まったので、計算しますと、今は第4世代という事になります。そこで今回は、第4世代と呼ばれる家とこれからの建築の話をしたいと思います。●これまでの住宅第3世代住宅と第2世代住宅を比較すると、第3世代では、庭や半外部が減少または無くなり、窓が小さくなって、中の様子がわからなくなりました。効率と省エネを求めた結果、寛容さを無くしていったと言われます。この反省に立った第4世代住宅が目指す方向は、街へ連続してゆく生活空間のある家です。これまでの住宅の閉鎖性を開き、街と住宅をつなげ、人に優しい都市空間と開かれた住宅を創ることなのです。●“つなげる”取り組みそれでは、コミュニティーと生活空間のつながりを確保した家とは、どんな家なのでしょうか?第2世代の様に、庭や半外部を復活させて窓を大きくすれば、第4世代の家になるのでしょうか?そんな疑問が浮かびます。そこで本学では、第2世代と第4世代住宅のユーザーを木材によってつなげるプロジェクト※1「リサイクル材活用小屋造り」に、取り組んでいます。活用する材料は古い第2世代住宅の建材と、木材を含む自然素材や廃材など、現在そしてこれから嗜好される第4世代の建材の両方です。●木材が取り持つ縁ここでこのプロジェクトの軸になるのが木材です。どうやったらつながるかを実験してゆくのですから、家の近くにふんだんにあり、誰もがよく知っていて、間違っても直しやすく、何度でもトライできる材料。森林県の岐阜で、再生可能資源である木材が、格好の材料です。又、今回の鍵は、木材でも古材、端材、廃材と、どちらの参加者にとっても覚えのある木材を数種揃えたところです。記憶に残る木材利用の知恵と、若者世代がイメージする生活空間は、1つの建物に合体させると、皆に優しい、そして新しい建築空間を生み出します。●地域社会へ貢献する建築コミュニティーに呼応し、人間の生活を支える優しい建築。第3世代の省エネと長寿命化を突き詰めると、住宅は個人の所有物にとどまらず、公共性を強めます。これから求められるのは、そんなユーザーや地域社会へ貢献する建築。皆さんもコミュニティーの一員として、これからの建築創りに参加してみませんか?▲自分達の場所をつくる小さな大工さん▲若者が約170年前の材料に挑戦▲異世代間の共同作業※1若者(第4世代)が、地域のお年寄り(第2世代)の叡智と技術にサポートされながら、第4世代たる“つなげる”建物を設計し建てるプロジェクト。平成25年から始まり今年で4年目、遠くからも参加者続出。誰でも集え、異世代間の交流ができる休憩所を木造住宅の技術と材料で設計・施工。※編集者より森林のたより2月号(№749)5ページの当コーナー写真説明「ワラビの・・・」につきまして、正しくは「ゼンマイの・・・」の誤りでした。この場をお借りして訂正し、お詫び致します。MORINOTAYORIMORINOTAYORI5