ブックタイトル森林のたより 750号 2016年03月

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概要

森林のたより 750号 2016年03月

加子母優良材生産クラブ(以下「クラブ」という。)では、地区で培われてきた林業の技術や文化を次世代へとつなげるために、現在33名で様々な活動に取り組んでいます。優良材生産技術の継承「東濃桧」は、色つやが良く粘りがあり、建築用材として高い評価を得ていますが、より品質の高い材を作るためには枝打ちが必要です。クラブでは、年1回、会員が育てたヒノキ原木の試験挽きを行い、枝打ち技術の検証を行っています。また、県立森林文化アカデミーのインターンシップを受け入れ、会員の山林で伐採から造材、製材までの一連の流れの見学など、次世代を担う若手へ技術の継承を図っています。都市住民・企業等との協働による森づくり加子母地区では、トヨタ紡織グループによる「企業との協働による森林づくり」活動や、「平成名古屋市民の森」において名古屋市民による森林整備活動などが行われています。クラブでは、これらの活動の下草刈りや間伐作業などの指導役を担っています。森林整備体験をとおして、加子母を訪れる多くの方々に、森林整備の大切さや気持ちよさを実感していただけたらと考えています。未来へつなげる人づくりクラブでは、将来を担う若者に、森林・林業に対する理解を深めてもらうための活動も林業グループコーナー加子母優良材生産クラブ加子母優良材生産クラブの紹介加子母優良材生産クラブ会長田口光之助しています。会員の炭窯での、地元中学生を対象とした炭焼き体験では、木材から炭への変化に驚きの声が上がります。また、炭窯の原理や、かつての里山の生活に生徒の質問が相次ぎます。そのほか、加子母地区で毎年行われている全国の大学生有志による木造建築実習「木匠塾(もくしょうじゅく)」では、木材の生産現場である山の姿を知ってもらうよう、森林整備体験の指導を行っています。加子母「明治座」の改修保存加子母地区には、「明治座」という築120年を超える木造の芝居小屋があります。県の重要有形民俗文化財に指定され、地元で盛んな地歌舞伎の核となる施設です。平成27年、この明治座の改修保存工事が行われました。木材で耐震補強が施されるとともに、創建当時の姿に復元するため、屋根はクリとサワラの榑葺き(くれぶき)となりました。榑葺きの材料となる「へぎ板」づくりにはクラブ会員も取り組みました。初挑戦で試行錯誤の作業でしたが、地域一丸となって何とか工事に間に合わせることが出来ました。昨年10月、第39回全国育樹祭のサテライトイベントでは、新たな明治座の姿を県内外の方々に披露することができました。クラブとしても、今後も明治座の保存に協力していきたいと考えています。新たな試み「加子母福崎の森」現在、加子母地区では、県の環境保全モデル林事業で「加子母福崎の森」の整備が進められています。森林の中には作業小屋が設置され、地区住民や観光客が、昔から加子母で営まれてきた里山の自然や歴史文化を体験することができます。クラブは、この森で活動する団体の1つとして、計画の立案から携わってきました。地区の各団体が、それぞれの得意分野を生かしながら、人工林整備のほか、天然林での薪や山菜の採集、朴葉寿司・芋餅といった伝統料理づくりなど、様々な体験プログラムを提供していく予定です。クラブでも、この施設を存分に活用しながら、さらに充実した活動を行い、楽しみながら、森林・林業や加子母の魅力を発信していきたいと思います。MORINOTAYORIMORINOTAYORI9