ブックタイトル森林のたより 751号 2016年04月

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概要

森林のたより 751号 2016年04月

平成27年度岐阜県森林・林業関係合同発表会について(発表紹介)換会などの取組みの紹介がありました。「次世代型林業架線技術の普及」?岐阜県立森林文化アカデミー森林技術開発・支援センター林業普及指導員和田将也「次世代型林業架線技術」とは、欧州製タワーヤーダに代表される高性能架線集材機と搬器による集材技術をいいます。岐阜県の民有人工林のうち約1/3が急峻な地形であるため、今後、木材生産を増加させるには、急峻な地形でも効率的に木材生産ができる次世代型林業架線技術が有効です。今回は、タワーヤーダの機種毎の特徴や、本年度(27年度)岐阜県で導入するトラクター搭載式タワーヤーダの紹介、技術者育成のための「次世代型林業架線研修」の取組みの紹介がありました。先月号に続き、平成28年2月5日に開催しました「平成27年度岐阜県森林・林業合同発表会」の全9課題について発表内容を紹介します。第1部林業普及活動実績発表「林業事業体の今、そして未来」?郡上農林事務所林業普及指導員池田毅郡上地域では、平成27年9月に大型製材工場が本格稼働し、地域の木材需要が増大したことで、木材の安定供給が急務となりました。そこで、林業事業体の現状を調査し、課題の見直しを行うとともに、郡上市、森林組合や林業事業体など林業関係者と連携し、木材生産技術向上を目指した「郡上市素材生産技術協議会」や、若い経営者育成を目的とした「次世代の会(仮)」の立ち上げと、研修会や意見交第2部国有林野業務・成果発表「赤沼田天保ヒノキ植物群落保護林の高齢木の樹幹解析による成長量の評価」?中部森林管理局森林技術・支援センター森林技術普及専門官三村晴彦?中部森林管理局岐阜森林管理署小坂森林事務所森林官細江将樹岐阜県で最古のヒノキ人工林(1721年から植栽の記録あり)とされる下呂市小坂町内の国有林「赤沼田天保ヒノキ植物群落保護林」では、高齢級ヒノキ人工林の成長量を実証するため、1975年、1998年、2014年に、立ち枯れ木から約4m毎に円盤を採取し、樹高と肥大成長量の解析が行われています。今回、それらの解析結果と既存の木曽ヒノキの樹幹解析結果、予想収穫量を比較し、この林が120年以降は収穫予想表の材積を上回ることなど、高齢級ヒノキの樹高及び肥大成長の考察結果の発表がありました。第3部森林研究所研究・成果発表「水土保全のためのヒノキ林の間伐のしかた」?岐阜県森林研究所専門研究員渡邉仁志岐阜県の森林は、急傾斜地が多い、ヒノキ林の割合が高い、という特徴があります。過密なヒノキ林では表土流亡(表層土壌の流出)が発生しやすくなるため、表土流亡の少ない林へと誘導することが必要です。発表では、下層植生が少ないと表土流亡が多くなること、群状間伐によって光条件や下層植生が効果的に回復することが報告され、水土保全機能の維持回復を目的としたマニュアル「ヒノキ人工林の表土流亡を防ぐために」の紹介がありました。「丈夫な森林路網をつくるために注意すること」?岐阜県森林研究所専門研究員臼田寿生木材の計画的な生産や適正な森林管理には路網が必要不可欠です。しかし路網整備は、少なからず山に負荷をかけるため、丈夫かつ森林施業に適した構造や配置が求められます。このため崩壊危険地を考慮した路網整備に関する技術開発が進められています。今回、既設路網の崩壊箇所と切土のり面の高さや路面水の集水区間距離の関係などを調査した結果と、注意すべMORINOTAYORI 16