ブックタイトル森林のたより 751号 2016年04月

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概要

森林のたより 751号 2016年04月

世界農業遺産「清流長良川の鮎」について~林業が一翼をなす「長良川システム」~(※)平成27年12月15日、「清流長良川の鮎」が世界農業遺産に認定されました。岐阜県南部を流れる長良川は、流域に86万人の人口を抱え、都市部を流れる川でありながら豊かな水量と良好な水質を誇り、この清流によって育まれた鮎は全国屈指の漁獲量とブランド力を誇っています。また、流域では水と農林産物を原料とする和紙等の伝統工芸、水にまつわる信仰・民俗芸能など独特の歴史・文化が息づいています。長良川は、手つかずの自然の中で環境が保たれている自然河川ではなく、森林管理や水防施設、清掃管理など、人が適正に関与することにイタリア・ローマでの認定証授与より生活領域の中を流れ、生活水源・漁場・農業用水等の経済的価値、及びレジャー・景観・歴史文化等の精神的価値を有し、かつ生物多様性を保持している『里川』です。この長良川における人の生活、水環境、漁業資源が連環する里川システムは、世界に誇るべき「長良川システム」です。持続可能な農産物生産や豊かな漁獲につながる河川水を保全するうえで、水源となる森を良好な状態で維持していくことが必要です。長良川上流の郡上市では漁業協同組合が中心となり、森林組合等の協力のもと長良川源流の森育成事業として広葉樹の植林活動が行われています。世界農業遺産の一翼、さらには数々の清流の源として、ぎふの森林づくりに新たな一面が加わりました。長良川システム都市部を流れる川でありながら日本三大清流と呼ばれる森林の育成と水資源管理伝統漁法による食料の確保優れた景観と生態系の保全流域に伝わる文化、価値観引用:清流長良川の鮎パンフレット生物多様性と適応技術(※)世界農業遺産とは?平成14年、食料の安定確保を目指す国際組織「国際連合食糧農業機関」(FAO、本部:イタリア・ローマ)によって創設されたプロジェクト。地域環境を生かした伝統的農法や、生物多様性、農村文化、農村景観が守られた土地利用などを「農業のシステム」として一体的に維持し、次世代に継承していくことを目指しています。世界では15カ国36地域が認定されており、日本では、「清流長良川の鮎」を含む8地域が認定を受けています。【里川振興課岩本英司】●詳しい内容を知りたい方はTEL058ー272ー1111内線(2912)里川振興課まで5MORINOTAYORI