ブックタイトル森林のたより 757号 2016年10月

ページ
16/22

このページは 森林のたより 757号 2016年10月 の電子ブックに掲載されている16ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play

概要

森林のたより 757号 2016年10月

はじめに岐阜県では、県民の生命・財産を守るため、毎年50億円以上の経費をかけ、治山事業による防災対策を進めています。しかしながら施工場所が生活圏から離れた山間部であることなどから、治山事業は地域住民にも余り知られておらず、理解も十分とはいえません。理解されていないがために、工事実施時の騒音や振動、粉塵等に対する苦情が度々出され、また土地使用承諾や立木伐採承諾を得るまでにも大変多くの時間を要しています。こうしたことから、治山事業に理解いただき、治山事業を円滑に進めるため、次の取り組みを行いました。実施した取り組み1地域住民の治山工事への参画・・植樹活動を通じて地域の方に山に興味を持ってもらうことや、治山の大切さや大変さを知ってもらうことが狙いです。御嵩町の山腹崩壊の復旧工事現場において、地元に住む9家族27名の方に7種類81本の木を植えてもらいました。植樹活動に参加した方の殆どが「治山事業」を知らない方であり、今回の活動を通じて治山事業の必要性や、山を守る大切さ、山での作業の大変さが実感できたとのことでした。また、親子で植えた苗木の生長を見に来たいという方も多く、山への興味を持ってもらうこともできました。当活動は、新聞や地元広報誌で取り上げられ、参加者だけでなく広く一般の方にも治山を知ってもらえる機会となりました。2中学生への治山説明会・・地域の将来を担う中学生に、自分達の生活が治山事業によって守られていることを知ってもらうことが狙いです白。川町佐見中学校1年生を対象に行いました。教室で1時間程治山についての説明を行いました。内容は、治山事業の目的及び予算状況、治山事業と砂防事業の違い、山地災害事例、渓間・山腹工事の着手から完成までの施工手順等です。その後、近隣の治山工事現場で完成した構造物を見てもらいました。生徒へのアンケートを行った結果、全員から「分かり易かった・理解できた」との回答をいただきました。また、感想欄には「治山工事には多くの危険や苦労のあることが分かった」、「構造物には多くの工夫がされていることなどを知ることができた」などの感想が記載され、治山について知ってもらうことができたと感じています。3治山工事実施における周知活動・・治山工事を円滑に進めるため、工事箇所近隣住民を対象とした回覧用チラシによる周知と、広く一般の方に知ってもらうための横断幕による周知活動を行ないました。集落に近接した工事では「回覧用チラシ」を作成し、自治会関係者に了解を得たうえで回覧してもらっています。チラシを見た住民からの要望を受け「工事見学会」を開催するなど、地元と良好な関係を築くことができ、工事も円滑に進めることができました。1日の交通量が約2万台の国道沿いの現場では、現場に横断幕を設置し、広く一般の方に治山工事のPRを行いました。これまでに一般者からの苦情や問い合わせはありませんが、関係者からは分かりやすいなどの多くの反応がありました。今後について今後もこういった活動を積極的に行い、多くの方に治山事業が理解され、工事が円滑に進められるようにしていきたいと思います。●詳しい内容を知りたい方はTEL0574ー25ー3111内線(427)可茂農林事務所林業課まで治山・林道研究課題治山、林道の各研究会では、日頃の業務で直面する課題について、調査・研究を行っています。今年2月に行われた発表会(本誌752号16?17ページ)で発表された研究課題を紹介します。可茂農林事務所林業課田中輝和?治山事業を知ってもらうための取り組みについて?MORINOTAYORI 16