ブックタイトル森林のたより 757号 2016年10月

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概要

森林のたより 757号 2016年10月

●詳しい内容を知りたい方はTEL050ー3160ー6509中部森林管理局総務企画部総務課まで国有林の現場から森林・林業の再生が地域振興の鍵林野庁中部森林管理局長新島俊哉14月1日に中部森林管理局長を拝命しました新島です。「森林のたより―岐阜県の森林・林業―」の読者の皆様には、日頃から国有林野の管理・経営に格別の御理解・御支援を賜り厚く御礼申し上げます。現場としては19年ぶり、中部森林管理局には実に23年ぶりに戻って参りました。現場での経験が私の財産だと思っており、少しでも恩返しできるよう取り組んで参りたいと思います。国有林野事業は企業特別会計から一般会計へ4年目を迎えた中部局の使命と課題さて、国有林野事業は平成25年、それまでの企業特別会計から一般会計に移行して今年で4年目を迎えておりますが、中部局としては、森林・林業再生への貢献などを通じて地域の振興に努めることが一番の使命だと考えております。中でも、「植える、育てる、使う、植える」というサイクルで森林資源を持続的に利用していくことが地域振興の鍵になると考えていますが、我が国の森林・林業は現在、施業のためのコストをいかに下げていくかということや、ニホンジカ被害を防止し低減させていくことなど、民有林・国有林共通の課題を多く抱えています。このため、中部局としては、これまで蓄積してきた技術や経験を活かし、率先してリスクをとってこれらの課題解決に取り組み、その成果を民有林の方々に普及して参りたいと思います。その上で、国有林としては森林の持つ公益的機能の発揮や森林資源の多様化を目的として、様々な生育段階や樹種から構成される針広混交林への誘導を進めてまいりますが、これらの結果得られる木材については、政策を進める手段として地域林業・木材産業の振興が図れるよう安定供給に努めてまいります。木材の需要拡大への取組と支援森林資源の循環利用を推進していくためには、国産材の需要拡大も必要不可欠です。具体的には、集成材・合板に使われる木材の需要、製紙・木質バイオマスに使われる木材の需要の拡大と合わせ、最も単価が高く地元の森林への還元が大きい製材等に使われる木材の需要を拡大することが重要だと考えています。木質バイオマスについては、これまで林地に残され、地拵え時に邪魔となっていた末木枝条等が有効活用されることにより、造林コストを大幅に縮減できるという効果があることから、国有林としても積極的な供給に努めてまいりたいと考えております。ただし、木質バイオマスへの安定供給のみが目的化し、製材や集成材・合板として使える木材までを燃料として利用されることのないよう、気をつけていかなければならないと考えています。この観点からも、特に製材等に使われる木材の需要を拡大することが重要であり、そのことがひいては地域の資源を守ることや地域の森林への資金還元にもつながると考えておりますので、私どもとしては製材等に使われる木材の需要拡大への積極的な取組に対して支援してまいりたいと思います。山地災害への備えと対応方針また、本年4月、熊本県熊本地方を震源とする地震により多くの被害が発生しておりますが、岐阜県においても、平成26年に御嶽山の噴火災害が発生したところであり、今後も山地災害への備えをしっかりしていく必要があります。中部局としては、こうした災害に対しては、国有林の災害対応のみならず民有林の災害についても、県や市町村等との合同によるヘリコプターでの広域的な被害調査の迅速な実施や治山技術者の派遣等により、引き続き、早期復旧に向けた迅速かつ積極的な対応を行う考えです。かつていただいた御恩をほんの少しでもお返しできるよう、県や市町村、関係団体、そして地域の皆様と一緒に手を取り合って、岐阜県の森林・林業・木材産業の振興、ひいては地域の振興に貢献できるよう取り組んでまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。▲岐阜、長野、愛知、富山を管轄する中部森林管理局です▲中部森林管理局庁舎敷地内に森林鉄道を展示しています▲新島局長MORINOTAYORIMORINOTAYORI17