ブックタイトル森林のたより 758号 2016年11月

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概要

森林のたより 758号 2016年11月

地域の人今回は、岐阜農林事務所管内で山林種苗生産業を営む株式会社養本社の土屋正保さんを紹介します。岐阜県瑞穂市に本社がある養本社は、明治41年創業の、緑化樹木、花木生産の老舗です。近年は、高級トロピカルフルーツとして名高い「マンゴー」、「ドラゴンフルーツ」の生産・販売にも取り組まれていますので、ご存知の方も多いかと思います。その養本社では、年間20万本の山林種苗の生産を計画され、平成27・28年度に県の補助事業「苗木生産施設等導入事業」を活用し、山林種苗の育苗機械、育苗生産施設を整備されました。また、生産基盤の整備と並行して、山林種苗を行うのに必要な資格を取得するため、林業種苗法に規定される講習会(林業用種苗生産事業者講習会)に4名の社員さんを参加させるなど、山林種苗の生産体制を着実にすすめられています今。回、株式会社養本社の取締役会長の土屋正保さんにお話を伺いました。山林種苗の生産に取り組もうと思われたきっかけは?今から2年ほど前に、森林総合研究所の主任研究員の方と大分県でお会いする機会がありました。その際の「低コスト再造林」についてのお話の中で、『苗木の生産コスト削減には、1ヶ年で苗木を生産可能とする育苗方法が有効』といった指導がありました。また、現在、弊社が生産している『生分解性ポット苗』も、何種類かある「コンテナ苗」の一種であるとのお話も併せていただきました。これまでの取り組み状況はいかがですか?弊社では、苗木の活着、育成、保管、取扱、輸送等々を総合的に検討し、『生分解性ポット苗』の生産に着手しました。丁寧な指導を受けられたおかげで、1ヶ年で30cm程度の苗に育てることができるようになりました。現在、約18万本の苗を生産中です。『生分解性ポット苗』について教えてください『生分解性ポット苗』は、文字どおり、生分解性のポットに培土を詰め、その中で山林種苗の生育を行うものです。メリットとしては、ポットごと出荷、植えつけができるため、一般的なコンテナ苗と比較して運搬時の振動に強いことがあげられます。デメリットは、大量生産(50万本以上程度)のための機械化が現状では難しいという点があり、今後、改良型の機械の開発に期待をしているところです。最後に一言お願いします緑化樹木を長年扱ってきた弊社としては、『生分解性ポット苗』は、コンテナ苗の一種だと考えています。しかし、岐阜県林業用種苗需給調整協議会で決定した苗の規格において、現時点では弊社の『生分解性ポット苗』は、コンテナ苗として認められておりません。一方、富山県で平成29年春に開催される第68回全国植樹祭において、『生分解性ポット苗』による1万本の植樹が行われる予定と聞いています。全国的にも『生分解性ポット苗』の生産が急速に拡大しつつあるなかで、弊社としては、『生分解性ポット苗』の良さを、もっと多くの皆さんに知っていただきたいと思っています。山林種苗の生産にかける土屋会長の強い思いを聞かせていただくことができました。●詳しい内容を知りたい方はTEL058ー214ー740岐9阜農林事務所まで【岐阜農林事務所今井琢磨】株式会社養本社土屋正保さん『生分解性ポット苗』の生産をスタート!土屋正保さんMORINOTAYORI11 MORINOTAYORI