ブックタイトル森林のたより 758号 2016年11月

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概要

森林のたより 758号 2016年11月

普及コーナー■森林文化アカデミー森林技術開発・支援センター長屋公三タワーヤーダが実稼働しました岐阜県が購入したタワーヤーダ「LARIXLAMAKO」(以下「本機」という)の導入の経緯や機械の規格・諸元、また、多くの方々に本機を見ていただく見学会を兼ねた公開研修の開催については当紙面にて報告(2016年5月号(№752)、7月号(№754))したところです。本機を使っての架設・操作の練習を、私達担当Agが森林文化アカデミーの演習林で行った後、本機は6月13日~8月12日までの間、郡上市明宝小川の浅谷県有林の皆伐作業現場において実稼働しました。今回は、この約2カ月にわたる実稼働の結果を踏まえ、使い方の工夫などについて報告します。なお、6月13日~24日までは次世代型林業架線(O J T)研修期間として、その後は貸出し期間として、「くさかべ林業」さんに使っていただきました。搬器速度について本機の搬器は、木材を吊っていない状態(空搬器)では自動走行により走行開始すると徐々に加速して最高速度に到達し、自動停止設定位置の手前5mから減速を始めて停止します。木材を吊っている状態(実搬器)では、自動走行にしても最高速度には到達しないため、荷掛け手がリモコンで最高速度まで加速させてから自動走行に切り替えることになります。自動停止は空搬器と同じです。そのため、集材距離が短い場合には最高速度で搬器が走行する区間(時間)が短くなります。チェコ語や英語で書かれたカタログには搬器の平均的速度は2~5m/秒と書かれていますので実測してみました。支間斜距離約270mの下げ荷線で集材距離が150m程度の時に計測した結果、空搬器が約2m/秒、実搬器が約1m/秒でした。メーカーからの説明では、下げ荷集材ではカタログ値の約半分の速度になるとのことでしたので、今回の現場では概ねそのとおりとなりました。本機のワイヤの巻き容量から最長500mまで架設可能となっていますが、この搬器速度での500mの索張り集材は非効率となります。「最長索張り可能距離」と「適正な最大集材距離」はイコールではないことを念頭に、機械の作業能力に応じた索張り距離で使用することが重要です。ワイヤドラムの仕組みについて本機のワイヤドラムはスイングヤーダや多くのタワーヤーダのような油圧モーターによる駆動ではなく、動力源であるトラクタのPTOシャフトの回転を、ギアとチェーンを介してドラム軸に伝達して回転させる機械式の駆動方法です。各ドラムには集材機と同様にクラッチとブレーキが備わっており、エアークラッチとエアーブレーキにより動力伝達の入/切とドラムの制動をします。集材作業においては、ホールラインを巻き取る時、ホールバックラインドラムはクラッチが切られたフリー状態で、自動でブレーキが適度にかけられながら巻き戻し回転します。集材機での「張り張り」と同じ動きです。側面に大きなバンドブレーキとブレーキロッド、クラッチロッドが取り付けられた主索とホールライン、ホールバックラインの3つのドラム下げ荷集材MORINOTAYORI 12