ブックタイトル森林のたより 758号 2016年11月

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概要

森林のたより 758号 2016年11月

●詳しい内容を知りたい方はTEL0575ー35ー2535森林文化アカデミー森林技術開発・支援センターまでからの懸念事項であったドラムの「鳴き」が見事におさまりました。欧州製の先進的な機械と言われていても、使用するに当たっては日本の架線技術者の知識や技術、経験が最も重要な要素の一つであることに変わりはありません。2あせっていても前述したように、本機はエアークラッチとエアーブレーキでドラムの回転を制御しています。そのため、クラッチやブレーキを「入/切」する際には、エアータンクにエアーが必要量が貯まっていなければなりません。「搬器から早く荷吊索を引き出したい」「早く荷吊索を巻き上げたい」「早く搬器を発車させたい」「間違えたから直ぐに正しい操作をやり直したい」とリモコンで直ぐに次の操作をしても、搬器はうんともすんとも言わないことがありますが、これはエアーが不足していることが原因でした。慌てず、機械を急かさず、一呼吸おいてから次の操作をするように心掛けることがスムーズに機械を動かすコツだと判りました。3あきらめないでどんな機械でもワイヤロープをドラムに巻く時には、ドラムの幅に応じてドラムと正対する最初の滑車との間に一定以上の距離を取る必要があります。しかし、タワーヤーダではタワーの高さがこの距離の上限となるため、本機も十分な距離が確保できず、ワイヤロープが綺麗に巻けない「乱巻」が発生しやすい傾向があります。更に、本機と組み合わせた搬器「SHERPA」は下げ荷集材線ではホールバックラインが荷吊索を兼ねているため、荷吊索を引き出す操作の都度、ホールバックラインに大きな弛みが出るので、その弛みの扱い方が原因で乱巻が発生しました。当初は構造的な問題だと半ば諦めていましたが、使い込むうちに乱巻しやすい状況は何かと気づき、荷吊索の操作方法を改善(詳細はこの紙面では書き尽くせませんので省略します)するとともに、ドラムの巻き状況を確認する癖をつけて極初期の乱巻を見つけたら綺麗に巻き直すようにすることで、乱巻によるライントラブルの発生を減少させることができました。その他にも、細かい注意事項がたくさん見つかりましたが、今後のOJT研修や貸し出し時の参考となるように、取り扱いマニュアルを作成して反映することにしています。くさかべ林業さんには、2カ月にわたって本機を使用していただき、初めて使う機械だったにもかかわらず、次々と大切な事項を発見していただきました。架線集材作業に長けた職人気質のくさかべ林業さんに使っていただけたことは、私達担当者にとっても、次に本機を使う人にとっても非常に幸運なことだったと思います。また、本機を納品していただいた(株)レンタルのニッケンさんには、遠方より何度も何度もメカニックの方が駆けつけて調整や整備をしていただきました。研修期間と貸出期間が無事に完了することができたのは、くさかべ林業さんとレンタルのニッケンさんのご尽力とご協力のおかげです。紙面をお借りして厚く御礼申し上げます。部を見ると、3軸3胴の集材機だなぁと感じられます。使いながらトラブル解決1油をさしたら5月26日の公開研修にご参加くださった方々は、本機のドラムが激しく鳴く音に驚かれたことと思います。私たちもあの音にはほとほと参っていましたが、集材機と基本的な仕組みは同じだと考えた日下部さんが、集材機のようにバンドブレーキに少量の油を点したところ、納入時ドラムとチェーンの間がバンドブレーキシルバーがブレーキのタンク、黒がクラッチのタンクカバーを外したドラム上がホールラインドラム、左下がホールバックラインドラム、右下が主索ドラムMORINOTAYORI13