ブックタイトル森林のたより 758号 2016年11月

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概要

森林のたより 758号 2016年11月

はじめに林道の切り取り法面保護工の一つであるモルタル吹付工は、一般的な工法として広く採用されてきました。しかし、経年劣化とともに施工地の環境、施工方法等が原因で、劣化の著しい箇所では破片が道路に落下し通行車両の支障となっています。これに対し、林道管理者はモルタルの撤去、吹き直しという画一的な対策を行っているのが現状です。一方、林野庁では「林野庁インフラ長寿命化計画」が作成され、4m以上の橋梁・トンネル等重要施設について、施設管理者は点検・診断を行い、施設の維持・強化に必要な対策を実施するよう指導がなされています。このことからも、今後は老朽化した施設を補修する機会が増すと予想されることから、モルタル法面について老朽化調査方法と補修方法の判断基準を検討しました。変状調査方法の概要1調査項目変状の種類(ひび割れ、段差、せり出し、植生、剥離、湧水、法頭の状態、空洞)2目視観察等変状の程度、範囲の把握打音調査による空洞の有無3調査結果のとりまとめ表にまとめ、法面の写真に変状をスケッチ調査結果と変状の原因今回調査した箇所はひび割れが一番多く、次に剥離が見られました。一方、背面地山の変形による段差やせり出し等の変状はほとんど見られないという結果となりました。これらの変状は、法面工の施工時期や施工方法、背面地山の地質、湧水等施工時の適切な対処により大幅に減らすことが可能です。変状(不良箇所、老朽化)した法面の対策工法対策工法の選定は施工性、コスト、安全性の面から総合的に判断することが必要です。対策工法は、主に左上表の3種類になります。先の調査結果表を基に、今回の調査箇所の工法を選定すると、変状が最も大きい「剥離」により「吹き直し工法」となります。今後について今後、法面や橋梁など林道の維持管理がますます重要となってきます。補修が必要と判断するタイミングを逃さないよう心掛けることが重要です。●詳しい内容を知りたい方はTEL0574ー25ー3111内線(422)可茂農林事務所林業課まで治山・林道研究課題治山、林道の各研究会では、日頃の業務で直面する課題について、調査・研究を行っています。今年2月に行われた発表会(本誌752号16?17ページ)で発表された研究課題を紹介します。可茂農林事務所林業課日置和幸?モルタル吹付法面の老朽化調査と補修について?MORINOTAYORI 16