ブックタイトル森林のたより 759号 2016年12月

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概要

森林のたより 759号 2016年12月

活かす知恵とを森林人48●詳しい内容を知りたい方はTEL(0575)35ー2525森林文化アカデミーまで「家庭の燃費を見直そう」岐阜県立森林文化アカデミー准教授●辻充孝●家庭で使われるエネルギー家庭で使われているエネルギーの中でどの用途が一番多いか知っていますか。「エネルギーを一番使っていると思う用途」をアンケートしたところ、東海地区では、暖房48.4%、冷房27.1%と暖房、冷房により多くのエネルギーを使っているという結果になりました。全国的にもほぼ同じ結果です。(東京大学大学院前真之研究室調査)実際は、高山あたりの寒冷な地域では確かに暖房が一番多くエネルギーを使いますが、比較的温暖な岐阜あたりの地域であれば、給湯が最も多く、次いで家電、そしてようやく暖房です。(図1)冷房にいたっては非常に少ないエネルギーです。(目安ですので、住まい方によっても異なります。)なぜこのような現実とイメージの違いが出てくるのでしょうか。給湯や家電が多いのは、一年通してずっと使用しているためですが、季節間の変化が大きくないためにあまり意識していないのかもしれません。逆に暖房や冷房はその季節しか使用せず、気温の変化で急に使用量が増えるため、多く使っていると思い込んでしまうのではないでしょうか。んの家と比較していかがでしょうか。●家庭の燃費を見直そう各地域で多くのエネルギーを使う暖房や給湯は、30~40℃の低温の熱です。化石燃料を燃やした数千度の熱からとるのは非常にもったいない状況です。これらこそ、自然エネルギーの利用が有効です。暖房においては、まずは断熱を強化して熱が逃げない様に工夫して、日射を取り込みます。曇りが続くときは、薪ストーブなどのバイオマスを利用した暖房器具で賄います。私の試算では、高性能エアコンに買い替えるだけでは、1GJ程度しか削減できませんが、断熱や日射熱を取り込む工夫によって、半分以下まで削減させることも可能です。給湯においても、太陽熱を利用した給湯やバイオマスボイラーなどの利用が有効です。うまく活用できれば、こちらも半分以下まで減らすことも可能です。これらはあくまで普通に住んだ場合です。住まい方による削減は、大きなもので、同じ性能の家でも工夫次第で劇的に削減できます。家族でエネルギーを減らす工夫を考えてみるのも効果的です。この減らしたエネルギーはそのまま、光熱費の削減にもつながります。なるべく、化石燃料などの国内では得ることのできない資源に頼ることなく、地域で賄える資源を活用して、楽しく省エネ+小光熱費ライフを営んでみましょう。*GJ・・・ギガジュール(エネルギーの単位)●エネルギーと燃費の関係エネルギーというと、確かに減らした方がいいけど、何かよくわからないという方も多いのではないでしょうか。ですが、エネルギー使用量はそのまま光熱費に変換することで実感できます。毎月やってくる電気明細を見ていただくと、今月の使用量(エネルギー使用量)と金額が書かれていると思います。例えば、電気であれば、25円/kWhの単価で考えると、2,560円/GJになります。図1の岐阜の暖房をエアコンで行うと、13.4GJ×2,560円で年間34,304円使うことになります。都市ガスの単価を150円/m3だと想定すると、3,300円/GJ、LPガスで600円/m3だと、6,000円/GJ、灯油で100円/Lだと、2,700円/GJとなります。燃料単価は、契約の状況や会社により変動しますので、参考に見てください。図1のエネルギー消費量に、使っているエネルギー単価を掛け算すると、一般家庭の年間の光熱費が出てきます。皆さ図1:各地域の一般的なエネルギー消費量の内訳[単位:GJ](120m2、4人家族を想定して計算)13.418.929.230.05.62.12.11.24.54.54.54.525.127.827.828.710.810.810.810.817.317.317.317.33.93.93.93.90 20 40 60 80 100岐阜美濃郡上八幡高山暖房冷房換気給湯照明家電調理MORINOTAYORI11