ブックタイトル森林のたより 759号 2016年12月

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概要

森林のたより 759号 2016年12月

平成28年度森の名手・名人認定証伝達式が行われました平成28年度の森の名手・名人に認定された長野満さん、小椋東一さんに、公益社団法人国土緑化推進機構から届いた認定証が、10月24日、公益社団法人岐阜県緑化推進委員会会長の矢島成剛岐阜県議会議長から伝達されました。今年度森の名手・名人に認定された方■認定証伝達式森づくり部門(作業道開設等)本巣市根尾水鳥長野満さん今までに、110路線、100kmの作業道を開設し、現地踏査から補助金申請、バックホウオペレーターまでをこなす道づくりのスペシャリストです。長野さんの道づくりの流儀は、1森林所有者の思いを一番大切に2所有者にも会社にも利益になること3創意工夫を重ねることで、これらを基本に、災害に強い道づくりを実行されています。矢島会長小椋さん長野さん瀬上部長加工部門(木地師)中津川市千旦林小椋東一さん鋸や斧を使って材料となる樹木(トチノキやハリギリ等)の伐採や、「フシ抜き」「木取り」、斧を使った茶びつ等の内側のくり抜きなど、日本古来の手作業によるロクロ技術を実父から継承され、作品作りに活かされています。また、次世代を担う木地師への技術指導にも力を注ぎ、後継者育成に努められています。「森の名手・名人」とは森や山に関わる樵(きこり)、マタギ、炭焼きなどの生業において優れた技を極め、他の模範となっている達人について、「森づくり」「森の恵み」「加工」「森の伝承・文化」の4部門を設けて、公益社団法人国土緑化推進機構が「森の名手・名人」に認定しています。長野さん開設の作業道丸太組工法平成28年度現在の認定状況全国の認定者数……………1,258名(本年度63名)岐阜県の認定者数………………47名(本年度2名)【(公社)岐阜県緑化推進委員会専務理事黒﨑隆司】小椋東一さんの作品茶びつやお盆など新たな分野・用途に、岐阜県産材を活用する新製品開発シリーズ7平成27年度に地域材新規用途導入促進加速化事業を活用し、新たな分野・用途への県産材利用拡大に向け、新製品開発が行われました。6月号から7回にわたり、開発された新製品についてご紹介します。県産間伐材を活用したストランドボード家具素材(テーブル、椅子)として利用するための試作開発事業者:株式会社エスウッド〈問合せ先〉担当:長田TEL058-379-3023■概要弊社は、間伐材の有効活用をひとつの目標として掲げ、内装用「国産材ストランドボード」を開発してきました。ストランドボードとは、桧や杉の間伐材を細かい削片(ストランド)に加工し、「ノンゲル」というユニークな糊で板状に成型した素材であり、公共施設の内装など、主に建材用途で利用されています。本事業は、家具への用途拡大を図ることで、県産間伐材の一層の活用を目指すものです。■成果●岐阜県生活技術研究所に支援いただき、家具部材としての性能を接合部試験や塗色の官能試験等により検証しました。試作したテーブル、椅子の各種強度試験では十分な強度が得られ、家具に利用できることが明らかになりました。●飛騨産業(株)に支援いただき、テーブルと椅子を試作しました。ストランドボードの特性や意匠を活かしたデザイン、飛騨の家具の加工技術により、効率的な木取りとともに、斬新なデザインを有する試作品が出来ました。●家具利用に関する試作開発の取り組みは、ウェブへの掲載、展示会出展などにより普及しており、ストランドボードの特性を活かした加工やデザインの可能性などについて、高評価を得ています。■今後の展開家具・什器への展開について普及活動を継続するとともに、設計側からのニーズに応じたデザイン対応や塗色の開発、コストダウンを目指した仕様の確立により、新たな販路開拓に取り組みたいと考えています。桧ストランドボード製チェア県産材を活用した桧ストランドボードテーブルの強度試験の様子Woodコレクション2015出展の様子5MORINOTAYORI