ブックタイトル森林のたより 759号 2016年12月

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概要

森林のたより 759号 2016年12月

山田多賀男(80)孝森博樹岐阜県本巣市平成23年取材「森の名手・名人」とは、森に関わる仕事や地域生活に染み込んだ営みのうち、優れた技をもってその業を極め、他の模範となっている達人で、毎年、全国で約100名が認定されています。岐阜県においては、現在、47名の「森の名手・名人」が認定されています。この「森の名手・名人」を「森の”聞き書き甲子園“」に参加した高校生が「聞き書き取材」をしたものの中から誌面の関係上要点を抜粋したものです。なお、年齢、住所、学年は取材当時のものです。40森の名手・名人シリーズ岐阜県立郡上高等学校3年名人聞き手提唱してやっとったん。1本に100のよう穴開けるでよ、まあこんなことは手で穴開けて詰めとったら1日に2本か3本しか打てん。機械やでこれくらい穴開けても100本ぐらいできるもんで始めたん。市場やら直販所へ出すにはね、あんまり大きなもんばっかでは売れんので、多孔式で作る大きすぎず小さすぎん大きさの椎茸は市場出しにはもってこいやったん。今はどっちかって言ったら進物用のジャンボシイタケ作っとるんで、あんまりたくさん穴開けてやると1つ1つが小さなってまう。大きいもんがいっぱい出てくれりゃあ多孔式でやった方がええんやけども、やっぱりたくさん穴開けてやると椎茸が小さなるんやわ。やもんで1本に平均30?40穴開けて今やっとるん。これくらいがジャンボシイタケ作る適当な穴の開け方。まあ今までの経験からな、そういうふうになってきたんや。進物用とはね、1kg詰めの箱を作って、おっきいやつを12?13個詰めて贈るわけな。でこれ宣伝もしなんだんやけども、次から次送った先の人がこんな椎茸珍しいということで、うちも送ってくれんかと、そっからどんどん広まってね、北海道から沖縄まで送ったよ。で1kg大体3000円ぐらい。普通の椎茸やと1kg1000円にもいっとらなんだと思うけどね。最盛期には1000個ぐらい送っとったな。それから時期になって大量に出たらあとは直販所出してやったんやて。市場ではちょっと大きかったり量があると値段をがたっと下げられてまうし、形揃えろやら、そういう苦情に振り回されとった。ところが直販所行くとそれが逆やわ、おっきいやつの方が喜ぶんや一般そうやって一時自家用に作っとったけども、まあちょいちょいと周辺の自家用にやる人に分けとったんよ。そうしたら成績が良くてそのうちに肝心な椎茸栽培の方をやれんようになってまった。昭和40年?45年までは種菌の方の需要が多てそっちが主になってまったな。そんだけ椎茸が盛んになってくると、今度はいろんな大手の種菌業者が出てきてね、とても対抗できへんでということで、45年に椎茸栽培の方に切り替えたんよ。3.植菌椎茸栽培が最盛期のときに自動植菌機ができたんやわ。これは手動で穴開けて菌詰めて蓋するだけの半自動の機械なんやけど、簡単にたくさん打てるん。多孔式てってわしが茸栽培をやめたんやわ。ちょうどそのころ山仕事が非常に盛んになってきて、一時伐採や木出しを5?6年やった。やっぱり材木も多少頭打ちになって、この地域の森林組合や役場やらが、椎茸栽培をやろうかと。ほんで昭和28年に本格的に栽培を始めたん。2.種菌の培養本格的に椎茸を始めて3年目くらいにずいぶんと打ち込んだやつがだめやったときがあって、自分たあで種菌から培養しないかんとみんなで話し合って椎茸の種菌の培養を始めたん。基本は瓶におがこを詰めて、それを殺菌釜で殺菌して、外の空気に触れんように外から入れといて室内へ出すん。そこへ椎茸の種を植えて、25?26度の温度で約40日?50日くらい培養して種を作るん。1.椎茸栽培を始める栽培の方法はたまたま親戚の人が椎茸栽培やっとったもんで教えてもらったん。まず椎茸の原木を2cmくらいに玉切りするんよ。それを割って駒作るん。ほして原木の方には鑿のみで6?7穴開けて、そいつを差し込む。1番初めはこのやり方で原木40本くらいやったかな。2年目のころ初めて県の林業試験場からおがくずに培養した菌が出てな。分けてもらっておがくず種菌をやるようになった。植菌するのは今のように電気ドリルもなかったんで、大工道具で穴開けてな、原木600本くらい菌を打ったんやけども、わりかた調子よういってよく出たん。やけども自転車じゃ岐阜までなかなか持ってけんし、売るのに困ってまってな、みんなに配って終わって、それで1回椎原木椎茸栽培椎茸一筋60年多孔式栽培MORINOTAYORI 6