ブックタイトル森林のたより 759号 2016年12月

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概要

森林のたより 759号 2016年12月

捕獲では減らない!里のニホンザル被害恵みの森林の住人たちもり27岐阜県環境生活部自然環境保全課岐阜大学応用生物科学部附属野生動物管理学研究センター鳥獣対策研究部門駐在桐井英幸岐阜県農村振興課のとりまとめた「野生鳥獣による農作物被害金額の推移」によると、ニホンザル(サル)の被害額について近年は、ほぼ横ばいで推移していますが、平成26年度には、ニホンザル(サル)の被害額が、ニホンジカ(シカ)の被害額を上回り、平成27年度にはイノシシ、シカ、サルの順で被害額が多くなっています(図1)。被害内容は幅広く、水稲・麦・マメ類・果樹・野菜類への被害があります(写真1)。また、被害金額に換算しにくい、生活被害も多くの市町村で発生しています。そこで岐阜県では、ニホンザル被害対策強化を進めるため、県内の集落付近に生息する群れの生息特性を示し、対策における基本的な考え方加害レベルは環境省のガイドラインに基づき、次のように定義しています。レベル0:ニホンザルの群れは山奥に生息しており、集落に出没することがないので被害はない。レベル1:ニホンザルの群れは集落にたまに出没するが、ほとんど被害はない。レベル2:ニホンザルの群れの出没は季節的で農作物の被害はあるが、耕作地に群れの全体が出てくることはない。レベル3:ニホンザルの群れは、季節的に群れの大半の個体が耕作地に出てきて、農作物に被害を出している。レベル4:ニホンザルの群れ全体が、通年耕作地の近くに出没し、常時被害がある。生活環境被害が発生する。レベル5:ニホンザルの群れ全体が、通年・頻繁に出没している。生活環境被害が大きく、人身被害の恐れがある。人馴れが進んでいるため被害防除の効果を出すまでに労力が必要である。加害レベルが高い群れほど、人馴れし、農作物、生活、人身被害が大や注意点を取りまとめた岐阜県ニホンザル被害対策指針を作成し、公表しています(文末参照)。指針の作成に当たっては、平成27年11月の1か月間に、過去5年間にニホンザル被害の報告のあった県内24市町村の協力により、住民によるニホンザル出没カレンダー調査と住民への聞き取り調査を行いました。調査では、県内の集落に出没するニホンザル群は178群、個体数約4,000~5,500頭と判明するとともに、各群れの加害レベルを6段階で分類しました。図1野生鳥獣による農作物被害金額の推移(岐阜県農村振興課)写真1集落に出て大豆畑を荒らしている様子MORINOTAYORI 8