ブックタイトル森林のたより 761号 2017年02月

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概要

森林のたより 761号 2017年02月

地域の人今回は、下呂市森林管理委員会委員の小池明聖(こいけあき)さんを紹介します。小池さんは、東京都出身で、平成5年に縁があり下呂市へ移住されました。小池さんは漆と和紙で宇宙の心象を描く現代美術作家(作家はお休み中です)です。****子どもを相手に絵画教室を行った時に、大きな和紙に「自由に何を描いてもいいよ」と絵を描かせます。しかし、なかなか喜んで自由に大きく絵を描くことはなく、小さくしか自分を表現できませんでした。自分だったら、喜んで紙面一杯に絵を描くのに、なぜだろう?と思い、過去の自分はどうだったか考えると、幼児期に自然の中で泥まみれになって遊んだ経験が思い浮かび、現在の子はそういった環境にないのではないか?と思い至りました。幼児期に自然に触れることが脳の発達に大切と気付き、いろいろ学ぶようになりました。「皇樹の杜ようちえんの開園」現在は、飛騨地方でも子どものまわりから自然がますます失われていき、生活が便利に機械化する中で人間の五感も少しずつ鈍くなってきている…といわれています。この現状において幼児期における自然体験活動は、子どもの心の奥深いところに必ずや影響を与え、健全なる育成につながると思っています。そうしたことから下呂市萩原町四美の南ひだ健康増進センターにおいて「皇樹の杜ようちえん」を仲間とともにはじめました。毎月第3日曜日に、幼児と小学生を対象に開催しています。ちなみに、ようちえんとはいえ、親子で楽しむプログラムです。****去る、平成28年10月16日にその様子を見学してきましたので少しだけお伝えします。今回のテーマは「秋みつけ」始めに参加者とともに南ひだ健康道場内を散策しながら秋をみつけ、袋に集めます。紅葉にはまだ少し早かったのですが、小池さんは途中で見つけた木の実や、山菜、草花の種を紹介されていました。「森の色合わせカード」も使いながら、それぞれの秋を探しながら2時間くらい散策しました。参加した子ども達の目が森の中を歩くにつれてキラキラと輝きだしいろんな自然に興味津々となったことが印象的でした。散策を終えて、それぞれが集めた「秋」を自分の言葉で発表して秋みつけは締めくくられました。皇樹の杜ようちえん終了後、小池さんから、「自然に触れて育つことは、高い能動性(自分で考え、判断し行動する)が要求され、子ども本来の内なる強い活力を発揮でき、出会うものはすべて本物、体をとおして体験したことは、宝物になる。自然界の命のつながりを知ることができるので、幼児期から毎日、自然の中で遊ぶことは大切。」とお話しいただけました。また、近年は、「人間の体は食べたものでできている。身近なもので元気になりたい。日本人にあった食事は何か。」と考えられ、薬草教室や地域にある山野草を使っての「身近な薬草と薬膳を楽しむ会」を開催するなど、地域の資源で心と体を元気にする取り組みを行ってみえます。「日本は、医療費が年々上がって問題になっていますが、岐阜県、飛騨地域にはたくさんの薬草が自生しています。そういった資源をみんなで、おいしく、楽しくいただいて健康になって医療費も削減できたら素晴らしいじゃない。」と笑顔でお話しいただけました。地域の自然を生かして大変活躍しておられる小池さんですが、いつも心に留めていることは、「自分の心と体に向き合い努力すること。簡単に倒れられませんからね」と笑っておられました。「命ある限り、自然の恵みに心から感謝し、飛騨の地から自己肯定のできる素敵な子ども達を世に送り出したいとの想いでいっぱいです。」と小池さん。今後も薬草パワーで元気に活躍されることを期待しています。●詳しい内容を知りたい方はTEL0576ー52ー3111内線(218)下呂農林事務所まで【下呂農林事務所林業普及指導員瀧根隆司】下呂市森林管理委員会委員小池明聖さん「目・耳・鼻・口・手」を使って自然の不思議を見つけよう明聖ちゃん見つけたよみんなが見つけた「秋」散策の様子小池さんMORINOTAYORI7