ブックタイトル森林のたより 764号 2017年05月

ページ
3/22

このページは 森林のたより 764号 2017年05月 の電子ブックに掲載されている3ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play

概要

森林のたより 764号 2017年05月

住友林業㈱岐阜樹木育苗センターが竣工しました住友林業㈱が、県の下呂林木育種事業地で整備を進めていた岐阜樹木育苗センターが完成し、平成29年3月29日に竣工式が行われました。本施設は、スギなどのコンテナ苗木を生産する施設であり、同社が独自に研究開発をした生産技術が活用されています。■これまでの経緯平成27年1月、民間企業が持つ優れたコンテナ苗生産技術の導入を図るため、県有地に民間企業による苗木生産の誘致を目的とした公募型プロポーザルを実施し、平成27年3月25日、住友林業㈱と「岐阜県苗木供給体制事業に関する事業協定書」を締結しました。県が平成27年度から28年度にかけて用地造成工事等を行い、造成地を同社に貸し付け、平成28年11月から同社が国庫補助金を活用しハウス等の施設整備を進めてきました。自治体と民間企業が連携して苗木供給体制を作るのは、全国初の取り組みです。■施設概要事業内容コンテナ苗木の生産(スギ、カラマツ、その他)事業地面積8,205.9m2施設内容ビニルハウス4棟(1,056m2)、発芽室など生産規模年間20万本事業費約9,100万円施設運営住友林業㈱本施設は、苗木育成環境の最適化と通年生産体制を構築することで、生産効率の向上、コスト削減、そして苗木の品質向上を目指しています。主な施設の特徴を紹介します。?発芽室(写真1)一度に最大14万個体の種子の保管が可能な施設です。半自動播種機も併せて導入しており、手作業による種まきと比較した生産能力は、5~10倍となります。発芽室は、野菜などでは用いられますが、林業用苗木で用いるのは珍しい事例です。?ムービングベンチ(写真2)一人でも1500本以上のコンテナ苗を載せた育苗用の専用台(ベンチ)を移動させることができる「ムービングベンチ方式」を採用し労働負荷を軽減しています。また、ムービングベンチは、作業しやすいよう移動することができるため、作業用の通路を最小限にすることが可能であり、固定ベンチと比較しハウス内の有効栽培面積が1.3~1.5倍に増加する効果もあります。?空調設備ボイラーにより加温することで冬期でも苗木の成長を促すことが可能になり、生育期間が短縮されます。また、夏期にはヒートポンプにより夜間温度上昇を抑えることで苗木の成長を促します。?自動灌水設備灌水時間と頻度をセットしておけば、自動で灌水管理が可能で生産コストが削減できます。写真2?ムービングベンチ▲写真1発芽室県内では、スギ苗木不足が続いており、県外から移入しておりますが、住友林業㈱がスギ苗木を生産することで解消されることが期待されます。県では、一昨年に開催した全国育樹祭の成果を礎に次世代へ豊かな森林をつないでいく「100年先の森林づくり」を推進しており、岐阜樹木育苗センターは、森林資源の循環利用をしていく上で重要な施設となります。●詳しい内容を知りたい方はTEL058-272-1111内線(3194)森林整備課整備係TEL070-4179-2520住友林業(株)下呂市駐在まで3MORINOTAYORI