ブックタイトル森林のたより 806号 2020年11月

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概要

森林のたより 806号 2020年11月

いて、植栽後四年目の状況を調査しました。なお、一部の菌根についてこでは第一目標である菌根形成につし、トリュフの菌根の有無を確認しはキノコ発生が最終目標ですが、こナラの細根の形態を顕微鏡で観察て、苗畑に植栽しました。人工栽培した。そして、その中に存在するコを黒トリュフの胞子懸濁液に浸漬し穴を各二ヶ所あけ、土壌を採取しまに、野外で育成したコナラ苗木の根おいて、直径約五cm、深さ二十cmのフの人工栽培を実現することを目的ナラ植栽地内(図1)の各試験区にそこで、簡易な方法で国産トリュ植栽後四年目の令和元年六月、コ栽培は行われていません。す。すが、国内で採取されたトリュフの四月植栽区、無散布・七月植栽区です。我が国にもトリュフが自生しま栽区、石灰散布・七月植栽区、無散布・苗木による人工栽培が行われていま験区は四種類で、石灰散布・四月植うち、黒トリュフの一部の種で感染験区に十四本ずつ植栽しました。試冬トリュフなどと呼ばれます。このた後、石灰散布区と無散布区の各試リュフ、黒トリュフ、夏トリュフ、ウショウロ)の胞子懸濁液に浸漬しでは色や発生時期の違いで、白トクロセイヨウショウロとイボセイヨいろいろな種類があり、ヨーロッパ国内で採取した黒トリュフ(アジア地下性のキノコです。トリュフにはにおいて、二年生コナラ苗木の根を、樹木などの根に共生して菌根を作る平成二十八年四月及び七月、苗畑として知られる高級食材で、ブナ科トリュフは、世界三大珍味の一つ調査の方法背景と目的ました。森林研究所●水谷和人コナラ苗木の植栽後四年目の菌根形成国産黒トリュフを接種した図1令和元年6月の状況(4年目)ていきます。安定して増加するのか、観察を続けも混在しており、トリュフの菌根がコナラの根にはトリュフ以外の菌根散布が必要と考えられました。ただ、成は可能ですが、そのためには石灰ラ苗木を用いた黒トリュフの菌根形このことから、野外で育成したコナできませんでした(表1、図2)。散布区では黒トリュフの菌根は確認一ヶ所で確認できました。一方、無では四月植栽の二ヶ所、七月植栽の黒トリュフの菌根は、石灰散布区植栽後四年目の結果て行いました。は、遺伝子解析による種鑑定も併せ●T詳EしLい内0容5を7知り5ーた3い方は3ー25森8林5研究所まで図2コナラの根(石灰・4月区)薄茶色の根がトリュフの菌根表1苗木の黒トリュフ菌根形成試験区菌根割合(トリュフ菌根数)石灰・4月2/2(100,150)石灰・7月1/2(80,0)無散布・4月0/2(0,0)無散布・7月0/2(0,0)・掘り取りは令和元年6月13日(各試験区2ヶ所)・採取した土壌には生重量で0.7~2.2gのコナラの根が存在・トリュフ菌根数は概数MORINOTAYORI 12