ブックタイトル森林のたより 806号 2020年11月

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概要

森林のたより 806号 2020年11月

国有林の現場から49「令和2年7月豪雨」の災害復旧工事について多くの災害箇所は、治山、造林、生産等の国有林野事業の実施区域の取り付け(入り口)部に位置していることから、事業計画の確実な実行のため、災害復旧工事の早期着工が不可欠です。●国有林内の林道・治山工事ところで、民有林関係の皆さんからは、国有林内で実施される林道や治山工事は、直接的には関係が無いものというイメージを持たれるかもしれません。しかし、国有林は、その多くが奥地の急峻な山地や水源地域にあって、良質な水の供給、土砂災害の防止・軽減、地球温暖化の防止、生物多様性の保全など、皆さんが生活していくうえで重要な働きを担っています。また、県民の大切なインフラである道路や鉄道等のうち、山間部にあるものについては、その周辺が国有林であることが少なくありません。このように、国有林の有すべき機能を保全、維持するための林道・治山工事の実施も、間接的にではありますが、地域のための大切な取組ではないかと考えています。(岐阜森林管理署)クタールと広大であることから、被害の把握・調査等には多大な労力と時間を要しますが、署員全員が一丸となり、スピード感をもって対応を行った結果、幸いにも人命やインフラ設備等への被害に至るケースはありませんでした。調査の結果、林道被害は10路線で路肩決壊45箇所、山腹崩壊25箇所が確認されました。また、被害箇所は下呂市小坂町の北部に集中していることから、局地的な豪雨が大きな要因であったと考えられます。●災害復旧にむけた工事の実施国有林内で発生した山地災害のうち、被害が甚大な場合や、緊急性が高いものについては、民有林の場合と同様、早期復旧を図るため林道災害復旧工事や災害関連緊急治山工事の事業費を確保することとしています。●岐阜森林管理署管内の被害岐阜森林管理署管内においても、管理経営する国有林内において、局地的な山地の崩壊のほか、林道や治山施設が多くの被害を受けました。当管理署では、被害発生直後の、7月16日のヘリコプターによる上空からの調査を皮切りとして、ドローンや現地踏査による管内国有林の被害調査を進めました。当管理署の管内は、県内10市町村におよび、管理経営する森林も約4万ヘ●はじめに7月上旬の梅雨前線の停滞によりもたらされ、「令和2年7月豪雨」と名付けられた記録的な大雨は、九州など西日本を中心として、全国的に甚大な豪雨被害を与えました。岐阜県内においても、飛騨地域を中心に、降り始めからの雨量が1,000ミリを超える記録的な大雨が観測され、これまでの想定を上回る気象現象により、河川の氾濫による浸水被害や、農業施設、道路・鉄道などの損壊、また、山地災害が各所で引き起こされました。▲山腹崩壊箇所(下呂市小坂町)▲森林管理署による現地調査▲松尾小黒川林道(松尾)(下呂市小坂町)の被災状況MORINOTAYORI 20