ブックタイトル森林のたより 813号 2021年6月

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概要

森林のたより 813号 2021年6月

●詳しい内容を知りたい方はTEL0584ー73ー11西1濃農林事務所まで治山、林道の各研究会では、日頃の業務で直面する課題について、調査・研究を行っています。今年2月に行われた発表会で発表された研究課題を紹介します。生分解性ネットを利用した林道法面の緑化について西濃農林事務所林業課白川拓巳施工三ヶ月後で、生分解性ネット未施工箇所で植生基材が流出(赤枠)し、植生回復の条件が低下していることが考察された。結果、六ヶ月後には、下層植生の成長に差異が確認できた。また、未施工箇所(赤丸)において動物による踏み荒らしの被害が確認できた。施工地では動物の侵入痕跡は見られなかったことから、シカ等の動物の侵入を一定程度防ぐ効果もある。まとめ及び考察・施工箇所は未施工箇所より植生の生育が旺盛である。・施工箇所は動物の踏み荒らしがない。・施工より二年経過したが、ネットの分解が見られないことからある程度耐久性がある。ネットの分解状況と分解後の未施工箇所との植生回復状況の継続的な確認が必要である。設置箇所の経過・施工四ヶ月後の状況写真上側全景写真。下側未施工(左側)と施工箇所(右側)の比較写真植生状況に違いは確認できなかった。・施工一年四ヶ月後の状況写真生分解性ネットの施工箇所は未施工箇所より植生が密に育っていることが確認できた。設置箇所と未施工箇所の比較設置箇所の状況設置箇所は、勾配一対0・8の切土法面に植生基材を3cm吹付した上に生分解性ネットをアンカーピンにて設置しました。林道開設で必ず発生する法面。この法面を早期に緑化し元の自然な植生に回復させ、安定した法面を保つことは、林道事業にとって重要である一方、シカの食害や踏み荒らしにより、一層緑化の難しさが生じている。また、昨今、海洋プラスチック問題の解決への取り組みが世界的な課題となっており、環境汚染の深刻化とプラスチックの資源循環への関心が高まっています。今回、環境への負荷の少ない生分解性ネットを活用した林道法面の緑化状況の推移を調査したので報告します。生分解性ネット生分解性ネットは、水や土壌中の微生物により五年程度経過する間に分子レベルまで分解し、最終的には水と炭酸ガスに分解され現地に残らなくなり環境への負荷が少なく安全性の高い製品と言われています。生分解性ネット設置状況施工直後(R1.1.10)生分解性ネット施工4ヶ月後(R1.5.9)施工1年4ヶ月後(R2.5.12)施工8ヶ月後(R1.9. 25)施工3ヶ月後(R1.4.9)施工6ヶ月後(R1.7. 23)MORINOTAYORI 14