ブックタイトル森林のたより 813号 2021年6月

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概要

森林のたより 813号 2021年6月

地域のきのこ生産者~可茂地域編~きのこ類をはじめとする「特用林産物」の生産額は、岐阜県の林業産出額の約4割を占めるなど、山村地域の重要な収入源となっています。また、きのこ類の生産資材である「原木」や「木材チップ」などは岐阜県の森林資源のうち、広葉樹の主要な需要先の一つとなっています。一方、近年、産地間競争の激化や、外国産菌床の増加による販売価格の下落に加え、生産資材の価格高騰、後継者不足など、県内のきのこ類生産者を取り巻く環境が深刻な状況となっています。そのような中、さまざまな工夫や努力を行いながら県内各地できのこ生産に取り組んでいる方々をご紹介していきます。(紙面や取材の都合上、一部の方のご紹介となることをご容赦ください)藤井昌弘さん(白川町)Q1何を生産されていますか?A1原木しいたけです。Q2生産の特徴を教えて下さいA2私が住む白川町黒川は、標高が高く寒暖差が大きい山間地域であり、長きに渡り原木しいたけの産地として栽培しています。私はその気候を活かしてハウス内にて周年で栽培するほか、地域の林内を利用し露地栽培にも取り組んでいます。かつては原木しいたけ栽培の主流は露地栽培でしたが、今では大部分の生産者はハウス栽培で取り組まれ、露地栽培に本格的に取り組をさせます。その後、乾燥機を用いて2日間ほど人工乾燥させ、干しいたけとして仕上げます。干しいたけとすることで生より長い期間保存することが可能となります。また、天日干しすることで、しいたけに含有される旨味やビタミンD等の栄養価が増加すると聞いており期待しています。Q7最後にPRをお願いしますA7同じ原木栽培であってもハウスで栽培された原木しいたけと比べ、林内にて露地栽培された原木しいたけは、自然の中で時間をかけゆっくりと成長する分、実の締まった肉厚なものになります。近頃は、栽培に必要な原木(ほだ木)の供給不安定・価格高騰やシカ・猿等の獣害への対処など、苦労も多いですが、多くの方々においしい原木しいたけを食べてもらいたいと思って頑張っています。取材を受けていただき、ありがとうございました。【県産材流通課時任大樹】んでいる生産者は、県内にほとんどいなくなってしまったと思われます。Q3栽培に取り組まれてどれくらいになりますか?A3私自身は就業からまだ5年目ですが、屋号である棚田しいたけは、祖父、父から後を継いで今年で70年目を迎えます。なお、天皇陛下御即位時の大嘗祭においては、自らが代表を務める「黒川椎茸組合」にて平成・令和の2代連続で供納させていただきました。Q4生産工程を教えてくださいA4原木への植菌を春に行ってから、その次の年の秋まで林内の作業道際で仮伏せさせます。その後、ほだ場にて写真のように本伏せ(井桁組み)させ、2年目の春からは本格的な発生・収穫ができるようになります。Q5生産規模を教えてくださいA5私は地域の林内にほだ場を4箇所管理しており、現在は総数6万~8万本のほだ木を伏せ込んでいます。毎年発生・収穫の時期・具合を管理し循環させます。なお、露地での栽培は、3月中旬~4月上旬が収穫の最盛期であり、今回取材いただいた際は今シーズンの露地栽培の収穫最終日でした。家内とパートの方々と協力して大きく実ったしいたけを収穫し、収穫ピーク時には、自宅からほだ場までの間を何往復も運搬し大変でした。Q6出荷までの作業は?A6収穫後には網棚の上に日が当たるよう万遍なく並べ、一日ほど天日干し“棚田”のような露地栽培の様子は壮観収穫後に天日干しをする藤井さんご夫妻MORINOTAYORI7