ブックタイトル教育医学 J.Educ.Health Sci. 第63巻 第2号 通巻 第288号

ページ
16/58

このページは 教育医学 J.Educ.Health Sci. 第63巻 第2号 通巻 第288号 の電子ブックに掲載されている16ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play

概要

教育医学 J.Educ.Health Sci. 第63巻 第2号 通巻 第288号

学習動機づけが後の学習結果に及ぼす効果:大学生を対象とした自己決定理論に基づく検討の符号との間に示された.また,?つの調整スタイル中,取り入れ的調整の決定係数の増加量は,いずれの従属変数においても比較的少なくみえるものであった.一方,自尊感情に対しては,内発的調整が有意な偏回帰係数を示したのみであり,その決定係数の増加量はわずかであった(0.01).2)無調整を除く調整スタイル全体学習動機づけ全般の効果を知るために,Step 2で無調整以外の調整スタイルを回帰式に投入した.表3に示したとおり,結果として,学習関連適応感のすべてで有意な決定係数の増加が認められた.その中で,自尊感情における決定係数の増加量は比較的小規模であった(0.03).また,自尊感情に対する同一化的調整以外,いずれの学習関連適応感に対しても,独立変数の偏回帰係数は有意であった.それらの偏回帰係数は,学習不安以外の学習関連適応感を従属変数とした場合に,取り入れ的調整と外的調整は正,同一化的調整と内発的調整は負であり,学習不安についてはその逆の符号であった.3)統制的調整と自律的調整外的調整と取り入れ的調整からなる統制的調整と,同一化的調整と内発的調整を含む自律的調整との効果を比較するため,それぞれをStep 2で独立変数とした結果をまとめたものが表4である.決定係数の増加量はすべて表3無調整以外の調整スタイルを一括して独立変数とした階層的重回帰分析結果(N=206)式独立変数βR 2⊿R 2F(⊿R 2)従属変数:学習満足感(Step 1のR 2 = 0.76)1外的調整-0.11 **0.900.1468.32 **取り入れ的調整-0.09 **同一化的調整0.11 **内発的調整0.23 **従属変数:学習努力感(Step 1のR 2 = 0.82)2外的調整-0.05 *0.930.1071.53 **取り入れ的調整-0.13 **同一化的調整0.11 **内発的調整0.22 **従属変数:学習自己効力感(Step 1のR 2 = 0.81)3外的調整-0.11 **0.900.1048.97 **取り入れ的調整-0.12 **同一化的調整0.07 *内発的調整0.20 **従属変数:学習自己実現(Step 1のR 2 = 0.72)4外的調整-0.07 *0.880.1770.34 **取り入れ的調整-0.17 **同一化的調整0.12 **内発的調整0.27 **従属変数:学習不安(Step 1のR 2 = 0.85)5外的調整0.12 **0.930.0860.87 **取り入れ的調整0.08 **同一化的調整-0.06 *内発的調整-0.19 **従属変数:自尊感情(Step 1のR 2 = 0.75)6外的調整-0.10 **0.780.036.00 **取り入れ的調整-0.12 **同一化的調整0.06内発的調整0.16 ***p < 0.05,**p < 0.01.従属変数とした学習関連適応感のTime 1における得点を独立変数として回帰式に投入(Step 1)後,無調整を除く調整スタイルを一括投入した(Step 2)結果.⊿R 2はStep 2における,Step 1からのR 2増加量.? 180 ?