ブックタイトル教育医学 J.Educ.Health Sci. 第63巻 第2号 通巻 第288号

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概要

教育医学 J.Educ.Health Sci. 第63巻 第2号 通巻 第288号

重松良祐,森田松之助主観的な効果を把握するため,介入後に両群に質問紙調査を実施した(表2).質問紙1)は水泳集中授業における内省調査票を参考に,設問を?分類,各分類2問,計10問で構成した.各設問を,?「とてもそう思う」,4「そう思う」,3「どちらでもない」,2「そう思わない」,1「全くそう思わない」の?件法で尋ねた.同時に感想を自由記述で収集し,文字量をカウントした.さらに対象者の感じる変化や,今後の意志が示されている箇所もカウントした.この変化と意志については筆者が自由記述内容に下線を引いてカウントしたが,その内容を別の研究者にも確認してもらうことで筆者の恣意性を排除するように努めた.なお,確認を依頼する際は対象者の属する群を伝えなかった.4.解析けのび動作の得点変化は群(介入群,対照群)×時間(事前,事後)の二元配置分散分析で解析し,効果サイズの推定値には偏η2値を算出した.質問紙調査の得点や,自由記述における文字量,対象者の感じる変化や意思についてはMann-WhitneyのU検定で解析した.これらの解析にはIBM SPSS Statistics(Ver.23)を用い,有意水準は?%に設定した.Ⅲ.結果1.対象者の介入への参加状況対象者8名のうち,4名(介入群2人,対照群2人)が介入を1回ずつ欠席した.参加率は両群とも94%だった.介入群4名への8回の介入におけるFacebookへの動画投稿数は,欠席が2回あったため計30回となった.それらに対するコメント数は筆者28回,対象者1?回,対象者の保護者11回,指導者8回だった.筆者からのけのび動作に関する情報提供は12回にのぼった.自分自身の動画については全員が動画を再生していた.また,介入群の4人中3名は他人の動画もすべて再生していた(ただしFacebookへのログイン回数や動画の再生回数については,機能に含まれていなかったために把握できなかった).すべての対象者が自分のけのび動作について具体的にコメントしていた.具体的なコメントの例は以下の通りである.対象者A:けのびを気にすることで,キックがスムースに打てるようになりました.ストリームラインは,選手コースに上がった年長の頃,何度もやったことを思い出しました.1ヶ月ストリームラインを気にすることでプ表2主観的な効果を尋ねる質問紙の得点対象者分類1分類2分類3分類4分類5ストリームラインを知るストリームラインの意識泳ぎについて学ぶ姿勢水泳に対するやる気介入は役に立ったか[介入群]A5.04.02.53.05.0B5.05.05.05.05.0C5.04.04.55.05.0D5.04.54.55.03.5[対照群]E4.53.52.03.04.5F4.54.04.05.04.0G5.04.53.04.54.5H4.54.03.04.05.0有意差U = 2.00, P = 0.11U = 4.50, P = 0.34U = 3.00, P = 0.20U = 5.00, P = 0.49U = 5.50, P = 0.49各分類とも2つの設問に5件法で回答してもらい,平均値を示した.設問は以下の通りである.分類1(1)自分のストリームラインについて知ることができた.(2)自分のストリームラインは良くなったと思う.分類2(1)練習でストリームラインを意識するようになった.(2)試合でストリームラインを意識するようになった.分類3(1)練習以外の場で自分の泳ぎについて考えるようになった.(2)手本になる泳ぎなどを自分で調べて学ぶようになった.分類4(1)日々の練習が楽しくなった.(2)水泳に対するやる気が出た.分類5(1)この介入が試合や練習で役に立った.(2)この介入は泳ぎが速くなるために役に立つ.? 207 ?