ブックタイトル教育医学 J.Educ.Health Sci. 第63巻 第2号 通巻 第288号

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概要

教育医学 J.Educ.Health Sci. 第63巻 第2号 通巻 第288号

小学生の飲酒防止教育の検討-両親の飲酒に関する実態調査から-3.小学生の子どもを持つ親が自分の親から飲酒を勧められた経験及び自分の子供にお酒を勧めた経験について父親,母親それぞれを,アルコールを飲まない群とアルコールを飲む群(新KAST 3群)の4群(飲酒状況4群)に分け,自分の親から飲酒を勧められた経験との関連を検討した.自分の親から飲酒を勧められた経験の有無の問いに「はい」と答えた父親は「アルコールを飲まない群」12.6%(22名),「正常群」2?.6%(48名),「要注意群」??.2%(9?名),「アルコール依存症の疑い群」4.6%(8名)であった.一方,母親は「アルコールを飲まない群」2?.8%(34名),「正常群」41.7%(??名),「要注意群」28.8%(38名),「アルコール依存症の疑い群」3.8%(?名)であった.飲酒状況4群と自分の親から飲酒を勧められた経験x 2との関連性を見るために検定を行ったところ,父親,母親ともに飲酒状況4群と自分の親からの飲酒の勧めの経験には違いがあるxことが明らかとなった.(父親:x 2df=3,p<.001,母親:p<.001).2=24.288,=2?.881,df=3,また,父親,母親それぞれを飲酒状況4群と自分の子どもにお酒を勧めた経験との関連を検討した.自分の子どもにお酒を勧めた経験の有無の問いに「はい」と答えた父親は「アルコールを飲まない群」5.1%(3名),「正常群」30.5%(18名),「要注意群」?4.2%(32名),「アルコール依存症の疑い群」10.2%(?名)であった.一方,母親は「アルコールを飲まない群」14.3%(3名),「正常群」33.3%(?名),「要注意群」42.9%(9名),「アルコール依存症の疑い群」9.5%(2名)であった.飲酒状況と自分の親から飲酒を勧められx 2た経験との関連性を見るために検定を行ったところ,父親,母親ともに飲酒状況4群と自分の子どもに飲酒を勧めた経験には違x2いがあることが明らかとなった.(父親:x=24.288,df=3,p<.001,母親:21.040,df=3,p<.001).2=Ⅳ.考察1.小学生の子供を持つ両親の飲酒状況新KASTは,男性版と女性版とある.男性版は10項目からなり,4点以上だと「アルコール依存症の疑い群」,1点から3点は「要注意群」と判定される.女性版は?項目からなり,それぞれ3点以上,1点から2点が「アルコール依存症の疑い群」,「要注意群」と判定される.今回の調査は,小学生の子供を持つ両親に調査を依頼した.新KASTの結果,父親では全く飲まない群は19.6%,正常群3?.1%,要注意群41.7%,アルコール依存症の疑い群3.6%であった.母親では全く飲まない群は38.8%,正常群43.2%,要注意群1?.4%,アルコール依存症の疑い群1.6%であった.両親の飲酒状況の比較においては,要注意は,母親が1?.4%に対し,父親は41.7%と2倍以上であった.また,アルコール依存症の疑い群では母親が1.6%に対し,父親は3.6%と2倍となっていることが分かった.高校2年生および高等看護学校3年生を対象に親の飲酒が子供に及ぼす影響について調査した結果では,親の飲酒頻度が高いほど子供たちはその影響を受けており,その中でも,女子は男子よりも父親の飲酒を深刻,過敏に受け止めていることが報告されている18).また,アルコール依存症の親が子供に様々な身体的・精神的障害をもたらすとの報告もある10).アルコール問題家庭に生育した場合には,親からのアルコール問題から受けた影響に関しては少なからずあることが認められる.このように,喫煙,飲酒といった問題行動に関しては,親の意見や家庭環境が大きな影響を及ぼし12),保護者が,未成年者の飲酒による身体的・精神的・社会的な影響による危険性に対する認識が低いことが考えられる.親子で学ぶ中学生用飲酒防止教育プログラムへの参加者は,両親のうちのほとんどが母親であった2).また,学校の教育制度を使って,ある程度の強制力があったことで,参加率も高い結果を得られた.今回の調査結果から,父親に要注意群とアルコール依存症の疑? 216 ?