ブックタイトル教育医学 J.Educ.Health Sci. 第63巻 第3号 通巻 第289号

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概要

教育医学 J.Educ.Health Sci. 第63巻 第3号 通巻 第289号

山本貴大,久保田浩史,滝優里花,山本浩貴,麻草淳,松本香奈,石川美久,横山喬之,生田秀和キーワード:パーソナルトレーニング,チェストプレス,レッグプレスKeywords:personal training, chest press, leg pressⅠ.緒言7,12,15,16)10,14,19)適切な運動は,生活習慣病,虚弱,5,11,18)および認知症など生活機能低下のリスクを低減させ,日常生活の質を高めるために大変意義がある.国民医療費の概況からも,健康体になるためには身体活動を推奨することが重要であり,国民がより運動を行える環境を整えていく必要がある9).気軽に運動を行える場としてフィットネスクラブが全国各地に存在する.全国のフィットネスクラブで運動している会員数は2013年時点で約400万人にのぼり,60歳以上のシニア層が多く,特に女性の利用が多い4).在籍する会員の多くが自身の目的に沿った運動効果を求めて日々運動に励んでいる一方,運動を継続できずにフィットネスクラブを退会する会員も存在する.フィットネスクラブの退会者の多くは継続者に比べて運動効果の満足度が低い17).そこでフィットネスクラブでは,パーソナルトレーニングプログラムを会員に提供している.パーソナルトレーニングとは,会員の目的に合わせて作成されたトレーニングプログラムを,パーソナルトレーナーがマンツーマンでトレーニング指導を行う有料商品である.Storerら20)は,フィットネスクラブに在籍する30,40歳代の男性を対象に,週3回の頻度のパーソナルトレーニングが自己流でトレーニングする会員よりもより大きなトレーニング効果を得られたことを報告している.しかし,費用面を考慮した場合,月々の会費にパーソナルトレーニングプログラムの料金が上乗せされるため,回数が多ければより高価になることがデメリットとしてあげられる.また,Farinattiら6),Taaffeら21)は,高齢者を対象としてトレーニング頻度の影響を検討したところ,筋力トレーニングを週3回,週2回,週1回で行ったいずれのグループも筋力向上または生活活動動作の改善がみられ,トレーニング頻度によってトレーニング効果に違いはみられないと報告している.パーソナルトレーニングにおいても,週3回より低頻度でもトレーニング効果が得られれば,フィットネスクラブとしては退会を防ぐことができ,会員にとっては費用を抑えて運動効果を得られることになる.しかし,これまでフィットネスクラブにおける低頻度のパーソナルトレーニングのトレーニング効果の検証はされていない.以上のことから,本研究では,低頻度パーソナルトレーニングのトレーニング効果を検証することを目的とした.Ⅱ.研究方法1.被験者およびトレーニング方法被験者として,岐阜市内Aフィットネスクラブの会員で,週3回以上のクラブ利用があり,筋力トレーニングマシンの使用に慣れている者を募集した.募集の際には,本研究における目的,方法,費用負担はないこと,および途中離脱も可能であることを十分に説明した.実験に23名が参加し,パーソナルトレーニング群(PT群)12名,対照群(C群)11名にグループ分けした.再度,目的や手順を十分に説明し,書面にて実験参加の同意を得た.トレーニング期間は,12週間とし,トレーニング開始前およびトレーニング後に体力測定を行った.筋力トレーニングの頻度は,PT群,C群ともに週3回とし,12週間で,計36回行った.PT群は週3回のトレーニングのうち,1回をパーソナルトレーナーが帯同したパーソナルトレーニング,残りの2回はトレーナーをつけずに自分でパーソナルトレーナーが作成したプログラムに従って行うトレーニングとした.C群は週3回すべてのトレーニングを,トレーナーをつけずに自己流で行うトレーニングとした.両群ともに,毎回,チェストプレスとレッグプレスを用い? 281 ?