ブックタイトル教育医学 J.Educ.Health Sci. 第63巻 第4号 通巻 第290号

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概要

教育医学 J.Educ.Health Sci. 第63巻 第4号 通巻 第290号

介護老人保健施設の看護職の職務の継続と認知症ケアの検討;介護老人保健施設の看護職版職務満足度評価尺度とBPSDサポート尺度を用いて図1 N-DS-HFとSS-BPSDによる職務の継続のモデル適合度を示す諸指標を算出したところ,GFIは.922,AGFIは.887,CFIは.934,RMSEAは.076,AICは258.218であり,GFI≧AGFIであり,これらの数値は,モデルを採用する基準を満たすものであり,妥当なモデルであると評価した.なお,図1の数値は標準化推定値である.Ⅳ.考察1.本研究における対象者10)公益社団法人日本看護協会医療政策部によると看護職員の平均年齢は46.6歳であり,保有免許(複数回答)は,看護師は70.0%,准看護師は36.6%,介護支援専門員は17.5%と比べると,やや看護師及び介護支援専門員の割合が低いが,本研究の対象者は類似傾向が示されたと考える.2.職務満足度,転職意向,離職意向と認知症ケアとの関係N-DS-HFによる「給料」に対する満足度が高いと仕事全体の満足度も高まり,転職意向や離職意向も低減することが明らかになった.給料や職場の人間関係に対して肯定的認識をもつ人ほど,仕事を通じた精神的充実感が高いことが明らかになっている28).深澤ら4)は同じような病院や同じ地域の中で比較して,著しく給与水準が低いとしたら,給料体系の見直しを検討すべき.しかし,そうでない場合には,看護職の採用が上手くいかない理由を給与のせいにしているだけで,理由は別にあることが多い,と述べているが,これは老健の場合も同じであろう.看護職は,認知症ケアの実践は「職業に対する誇り」と関連がみられる23),ことも明らかになっており,その関係性は認知症ケアだけでなく,職務満足度は実践するケアとの関連が指摘されており19,22),仕事満足や職業的アイデンティティの強化をもたらすことが示唆されている18).暴力行為はケアする側の心理社会的ストレスを高める26)ことも明らかになっており,それらを低減するためにも予防的なケアが重要となるため,認知症高齢者のBPSDに向き合える力は職務満足度を高めることに役立つと考える.N-DS-HFとSS-BPSD? 310 ?