ブックタイトル教育医学 J.Educ.Health Sci. 第63巻 第4号 通巻 第290号

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概要

教育医学 J.Educ.Health Sci. 第63巻 第4号 通巻 第290号

学童野球選手の野球技能と複合的運動課題成就能力の関係表6 CMT成就能力と守備技能の関係3年生4年生5年生6年生正確性バリエーション正確性バリエーション正確性バリエーション正確性バリエーションジグザグ走0.1650.2080.1360.1960.2390.323*0.326*0.392*両足3連続跳び0.327*0.386*0.302*0.385*-0.121-0.0420.1660.209連続壁当てボール投げ0.485*0.465*0.534*0.514*0.333*0.2370.621*0.581*CMT総合得点0.475*0.5080.440*0.497*0.2410.271*0.550*0.583** p<0.05表7 CMT成就能力と走塁能力の関係3年生4年生5年生6年生スピード状況判断スピード状況判断スピード状況判断スピード状況判断ジグザグ走0.417*0.420*0.390*0.1780.474*0.2620.478*0.285*両足3連続眺び0.460*0.468*0.535*0.322*0.483*-0.0780.413*0.162連続壁当てボール投げ0.388*0.501*0.307*0.467*0.1690.1470.336*0.484*CMT総合得点0.600*0.652*0.559*0.439*0.601*0.1700.602*0.461** p<0.053年生において打撃能力と中程度の関係が認められた.各テスト項目でみると,両足3連続跳びの記録と3年生のバットコントロールに中程度の関係が認められた.また,連続壁当てボール投げの記録と3,4年生の打撃能力に中程度の関係が認められた.しかし,5,6年生の打撃能力は,CMTテスト項目と関係がない,もしくは低い関係であった.4.CMT成就能力と守備能力の関係(表6)CMT成就能力と守備能力の関係について検討した結果,CMT総合得点は3,4,6年生において守備能力と中程度の関係が認められた.各テスト項目でみると,ジグザグ走と両足3連続跳びは,3 ? 6年生において関係がない,もしくは低い関係が認められた.一方,連続壁当てボール投げは3,4,6年生において守備能力と中程度の関係が認められた.5.CMT成就能力と走塁能力の関係(表7)CMT成就能力と走塁能力の関係を検討した結果,CMT総合得点は,全ての学年におけるスピード評価および3,4,6年生における状況判断と中程度の関係が認められた.各テスト項目でみると,ジグザグ走は3,5,6年生のスピード評価と中程度の関係が認められた.両足3連続跳びは全学年のスピード評価と中程度の関係が認められた.また,連続壁当てボール投げは3,4,6年生の状況判断と中程度の関係が認められた.Ⅳ.考察本研究は,単純に体力を評価するのではなく,新体力テストに「連続性」と「多方向性」を加え,簡便に複合的な運動能力を評価できるCMTテスト17)を用いて,学童野球選手の野球技能と複合的運動能力の関係を検討した.CMT成就能力(総合得点)と野球技能(総合評価値)の相関関係が,3,4,6年生において認められた.この結果は,学童野球選手のCMT成就能力が野球技能と関係していることを示唆している.野球技能に関しては,本研究では,経験値の高い指導者の評価により数値化することを試みた.ここで,指導者には野球に関して評価するよう指示しているが,一般的な運動能力という観点を評価から除外しているわけではない.また,CMTテストは,一般的な運動能力の要素を複合的に含んでいるため,完全に別要素を評価するテストではない.したがって,CMTテストによる評価と指導者の主観的評価との相関関係に,一般的な運動能力の要素が関わっている可能性がある.しかしながら,今回,CMT成就能力と野球技能の相関関係がみられたの? 320 ?