ブックタイトル教育医学 J.Educ.Health Sci. 第63巻 第4号 通巻 第290号

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概要

教育医学 J.Educ.Health Sci. 第63巻 第4号 通巻 第290号

樊孟,松岡弘記,稲葉泰嗣,加治木政伸,吉村真美,松本孝朗測定した.軸足がずれたり,浮かせた足が軸足や床に触れたり,手が腰から離れた時点までの時間を計測した.左右とも2回ずつ測定し,良い方の値を採用した.7)重心動揺重心動揺計(G?5500,アニマ株式会社,調布市)を用いて計測した.両手を左右に自然に下ろし,裸足でプレート上の足のマークに合わせて立ち,重心動揺計から約1.5m前方の目の高さの位置に付けた黒い点を注視するよう指示した.5秒間の安静後,両足立ち開眼で30秒,両足立ち閉眼で30秒測定した.視覚や聴覚の外乱刺激が入らないように周囲の音や声が少ない部屋で行い,施行順序はランダムとした.先行研究で測定されている項目と方法を参考とし15,25),総軌跡長(水平面上における重心動揺軌跡距離),単位時間軌跡長(総軌跡長を記録時間(秒)で割った値),単位面積軌跡長(総軌跡長を外周面積で割った値),外周面積(X?Y記録図における動揺の外周(包絡線)で囲まれる面積),左右動揺平均中心変位(左右動揺(X軸)における足底中心(台の基準点)と動揺平均中心との距離),前後動揺平均中心変位(前後動揺(Y軸)における足底中心(台の基準点)と動揺平均中心との距離)の6項目について分析した.4.統計処理結果は平均値±標準偏差で示した.統計分析には統計ソフト(SPSS 23.0 for Windows,IBM社製)を用いて,群(カンフー体操群vsラケットスポーツ群)と時間(介入前(教室参加前)vs介入後(教室終了後))を要因とする反復測定による二要因分散分析(群×時間)を行い,交互作用の有意性について検討した.両群間での比較は,対応のないt検定を用い,危険率5%を有意水準とした.カンフー体操群に脱落者はなかったが,ラケットスポーツ群には1名の脱落者があった.その理由は骨折のため(教室参加と関係ないところでの骨折)であった.よって,カンフー体操群16名,ラケットスポーツ群10名を分析対象とした.Ⅲ.結果表1には,教室前における参加者の年齢,身長,体重及び男女の人数を示した.年齢,身長,体重には有意な群間差が認められなかった.表1参加者の身体的特徴カンフー体操群ラケットスポーツ群年齢(歳)61.6±6.6 64.1±4.6身長(cm)157.7±6.5 155.7±5.6体重(kg)56.8±8.5 52.7±6.2男/女3/13 0/11平均±標準偏差表2にカンフー体操群とラケットスポーツ群の体力測定値の結果を示した.二要因分散分析の結果,握力を除いて,背筋力,立ち幅跳び,片足スクワット回数,長座体前屈には表2カンフー体操群とラケットスポーツ群の体力測定結果測定項目\対象者カンフー体操群ラケットスポーツ群前後前後交互作用主効果握力(右)(kg)28.0±7.528.8±6.326.0±3.727.2±3.7nsns握力(左)(kg)26.6±7.127.3±5.725.0±4.225.6±3.5nsns背筋力(kg)68.7±23.084.4±22.054.1±17.667.0±17.0nsp=0.000立ち幅跳び(cm)126.8±33.2137.9±33.1123.2±9.7130.8±15.3nsp=0.003片足スクワット(右)(回数)11.9±4.217.8±5.811.4±4.215.4±7.3nsp=0.000片足スクワット(左)(回数)11.6±5.517.3±7.011.4±4.816.4±6.2nsp=0.000長座体前屈(cm)37.1±15.340.8±13.834.9±5.438.1±6.4nsp=0.029閉眼片足立ち時間(右)(秒)10.9±9.712.6±7.78.8±7.84.9±2.1nsns閉眼片足立ち時間(左)(秒)10.1±9.115.6±9.38.0±8.34.5±1.4p=0.015ns平均±標準偏差,ns:有意差なし.? 327 ?