ブックタイトル教育医学 J.Educ.Health Sci. 第63巻 第4号 通巻 第290号

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概要

教育医学 J.Educ.Health Sci. 第63巻 第4号 通巻 第290号

カンフー体操が中高齢者の体力に及ぼす影響-ラケットスポーツと比較して-表3カンフー体操群とラケットスポーツ群の開眼,閉眼時の重心動揺の各測定値分析項目\対象者カンフー体操群開眼時ラケットスポーツ群前後前後交互作用主効果総軌跡長(cm) 37.64±10.50 36.56±6.59 37.19±10.00 40.43±8.85 ns ns単位時間軌跡長(cm/秒) 1.25±0.35 1.22±0.22 1.24±0.33 1.35±0.30 ns ns単位面積軌跡長(cm -1 ) 19.39±8.88 20.48±8.24 17.96±6.40 16.95±5.50 ns ns外周面積(cm 2 ) 2.48±1.61 2.13±1.04 2.52±1.61 2.71±1.32 ns ns左右動揺平均中心変位(cm) 0.10±0.53 ?0.05±0.42 0.24±0.73 0.31±0.76 ns ns前後動揺平均中心変位(cm) ?2.23±1.84 ?1.77±2.07 ?2.33±2.34 ?1.95±1.98 ns ns分析項目\対象者カンフー体操群閉眼時ラケットスポーツ群前後前後交互作用主効果総軌跡長(cm) 52.85±19.84 56.58±18.15 56.62±19.60 52.75±12.82 ns ns単位時間軌跡長(cm/秒) 1.76±0.66 1.89±0.61 1.89±0.65 1.76±0.43 ns ns単位面積軌跡長(cm -1 ) 18.77±8.63 17.28±5.84 17.01±7.75 17.98±5.77 ns ns外周面積(cm 2 ) 3.71±2.86 3.72±1.85 4.50±3.50 3.65±2.92 ns ns左右動揺平均中心変位(cm) 0.21±0.57 ?0.07±0.49 0.23±0.77 0.01±0.80 ns p=0.022前後動揺平均中心変位(cm) ?1.44±2.36 ?0.91±2.18 ?2.01±1.84 ?1.60±1.67 ns ns平均±標準偏差,ns:有意差なし.総軌跡長:水平面上における重心動揺軌跡距離単位時間軌跡長:総軌跡長を記録時間(秒)で割った値単位面積軌跡長:総軌跡長を外周面積で割った値外周面積:X-Y記録図における動揺の外周(包絡線)で囲まれる面積左右動揺平均中心変位:左右動揺(X軸)における,足底中心(台の基準点)と動揺平均中心との距離前後動揺平均中心変位:前後動揺(Y軸)における,足底中心(台の基準点)と動揺平均中心との距離有意な交互作用は認められなかったが,時間要因に有意な主効果が認められた.両群とも介入前と比較して介入後に有意に増加した.握力は左右いずれにおいても主効果と交互作用は認められなかった.閉眼片足立ちの右足には主効果,交互作用とも認められなかった.閉眼片足立ちの左足は,主効果は認められなかったが,交互作用が認められた.表3にカンフー体操群とラケットスポーツ群の開眼,閉眼時の重心動揺の各測定値の変化を示した.二要因分散分析の結果,開眼,閉眼条件のいずれにおいても交互作用がみられなかった.閉眼条件の左右動揺平均中心変位にのみ主効果が認められた.両群とも介入前と比較して介入後に有意に減少した.Ⅳ.考察本研究では,50?70歳の中高齢者を対象に,ラケットスポーツを比較対照として,6週間にわたるカンフー体操の実践が行動体力に及ぼす効果を検討した.背筋力,立ち幅跳び,片足スクワット回数,長座体前屈にはカンフー体操とラケットスポーツの間に有意な交互作用が認められなかったが,どちらのスポーツも時間要因に有意な主効果が認められた.6週間のトレーニングによって,カンフー体操とラケットスポーツは同程度の効果が得られた.小田ら21)は,初心者に8式太極拳を1回90分間,週に1回,12週間(12週間かけてマスターするように構成されていた)実施した.その結果,閉眼片足立ち,片足スクワット回数,最大1歩幅(上岡ら7)によって考案された健脚度テストに準じて実施.両足をそろえて立った状態から,できるだけ大きく片方の足を踏み出し,反対側の足をそろえる),上体起こしにおいて12週目に有意な差が認められ,閉眼片足立ち(左足支持)は,介入前(8.5±2.6秒)から介入後(12.8±4.0秒)にかけて50.6%増加し,閉眼片足立ち(右足支持)は,介入前(6.1±1.2秒)から介入後(11.5±3.0秒)? 328 ?