ブックタイトル教育医学 J.Educ.Health Sci. 第64巻 第2号 通巻 第292号

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概要

教育医学 J.Educ.Health Sci. 第64巻 第2号 通巻 第292号

パネルデータ分析による中高齢者の体格・体力の特性と性差-時系列データ分析との比較から-表1体力測定参加者の男女別継続年数の内訳継続年数(年)希望する60歳から83歳までの自立した中高齢者である.調査期間は,2001年から2013年までの13年間で,対象者に年1回の体力測定を実施した.体力測定に参加した中高齢者の内3年間以上継続的に体力測定を実施した男性:48名,女性:40名について分析を行った.継続年数の内訳と観測数を表1に示した.なお,測定に際しては体力測定の意義,内容,危険性を十分説明し,同意を得たうえで実施するとともに,本研究の実施に際して兵庫県立大学倫理委員会の承認を得た.2.測定項目男性1)体格の測定項目体格に関しては,長育の代表として身長,量育の代表として体重,体脂肪量(率)を選択した.身長はデジタル身長計(DSN-90:KDS社製)を用い,体重及び体脂肪率はボディープランナー(DF830:Yamato社製)を用い測定した.なお,身長,体重から体格指数としてBMI(Body Mass Index)を,筋量の指標として体脂肪率から体脂肪量を求め,体重から体脂肪量を減ずることにより除脂肪体重を算出した.さらに,骨の強度を示し,骨粗鬆症のスクリーニングに利用できる骨密度は超音波骨密度測定装置(AOS-100NW:ALOKA社製)を用いて右足の踵骨から音響的骨評価値(以下OSI:Osteo Sono-assessment Index)を求め,体格の測定項目に加えた.女性測定数(人)観測数測定数(人)観測数13 7 91 3 3912 4 48 0 011 1 11 3 3310 10 100 2 209 4 36 0 08 3 24 8 647 3 21 2 146 4 24 7 425 2 10 5 254 2 8 1 43 8 24 9 27合計48 392 40 2682)体力の測定項目体力に関しては,文部科学省新体力テスト(65歳~79歳)30)を基に,筋力として握力,筋持久力として上体起こし,平衡性として開眼片足立ち,柔軟性として長座体前屈,歩行能力の指標として10m障害物歩行時間,全身持久力としてシャトル・スタミナ・ウォークテスト(以下,SSTw)を測定した.握力はデジタル握力計(グリップ?D:竹井機器社製)を用いて左右交互に2回ずつ測定し,平均値を求めた.上体起こしは30秒間で上体の起き上がり回数を1回測定した.開眼片足立ちは120秒を最大として,片足立ちの持続時間を測定した.長座体前屈はデジタル長座体前屈計(T.K.K5112:竹井機器社製)を用いて2回測定し,良い方を測定値とした.10m障害物歩行時間は障害物歩行用ハードル(TK-11914:竹井機器社製)を10m区間に2 m間隔で6個設置し,スタートの合図から最後の障害をまたいだ足が床に着地するまでの時間を2回計測し,良い方を測定値とした.シャトル・スタミナ・ウォークテストは10m区間にポールを立て,ポールを回って折り返す歩行運動を3分間全力で行なわせその到達距離を計測した15) 30).なお,上記SSTw以外は文部科学省の65歳~79歳対象の新体力テストに準じて測定した.3.統計処理パネルデータ分析による年齢と各測定値間の相関関係については,オープンソースのgletelを用い固定効果を使用して算出し,時系列データ分析による年齢と各測定項目の相関関係についてはピアソンの積率相関分析により求めた.また,パネルデータ分析及び時系列データ分析において,男女差を検討するために男女の回帰直線の傾きの検定及び種々のバイアスの有無を検討するために両分析による男性間及び女性間の検定を,パネルデータ分析及び時系列データ分析で求めた傾き(b 1,2b 2)と重回帰係数(R 1,R 22)を用い,以下の式から,帰無仮説を「b 1 ?b 2」としてt値を算出した44).? 146 ?