ブックタイトル教育医学 J.Educ.Health Sci. 第64巻 第2号 通巻 第292号

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概要

教育医学 J.Educ.Health Sci. 第64巻 第2号 通巻 第292号

矢部哲也部をしっかり握った状態で縦一列に並び,前方にいる鬼が最後尾の生徒にタッチをするゲームを行った.おおよそ5人1組となり全員が鬼を経験するよう各組の中で交代した.また鬼が手をつなぎ生徒を追いかける手つなぎ鬼をクラス全員で行った.それぞれ両足ジャンプ,片足ジャンプ,歩行など条件をつけて実施した.3時間目はコーディネーショントレーニングを行った.生徒同士で補助し合いながら倒立をしたり,倒立している者の足首を持ち背中に乗せて再び担ぎ立たせたりするなどの複雑な動きを取り入れた.また指示した動きと逆の動作をするなどの運動神経系を刺激する運動も実施した.4時間目は縄跳び運動を行った.縄が頭上からかぶるように回ってくるかぶり縄や,足の下からむかえるようにまたぎ跳ぶむかえ縄などを行った.さらに2本の縄を十字にクロスさせて同時に回しその間を跳ぶ方法や,クラス全員で大縄跳びも行った.5時間目はボールを利き手や逆の手で投げたり,捕る相手に対し後ろ向きで投げたり,さらに股下から投げたりとさまざまな状態でボールを扱った.値の被験者が異なる群に属さないなど相対的な数値を考慮しつつ,群ごとの被験者数に大きな差が出ないよう設定した.心理的ストレス反応測定尺度では先行研究に基づきLow群(0 ?10点),Middle群(11?22点),High群(23?54点)に分けて分析した21).また下位尺度である抑うつ・不安,不機嫌・怒り,無気力に関して,それぞれ抑うつ・不安はLow群(0? 2点),Middle群(3 ? 6点),High群(7?18点),不機嫌・怒りと無気力はLow群(0? 3点),Middle群(4 ? 8点),High群(9?18点)に分けた21).その結果,各群における被験者数およびその学年内での割合は,子ども版状態不安尺度STAICにおいて1学年(62名)では,Low群28名(45.2%),Middle群20名(32.2%),High群14名(22.6%),2学年(48名)ではLow群16名(33.3%),Middle群21名(43.8%),High群11名(22.9%)となった.心理的ストレス反応測定尺度において1学年では,Low群52名(83.9%),Middle群7名(11.3%),High群3名(4.8%),2学年ではLow群34名(70.8%),Middle群6名(12.5%),High群8名(16.7%)となった.3.質問紙質問紙は状態不安や特性不安を観察するため,子ども版状態不安尺度STAIC 20)を用いた.また心理状態だけでなく,子どもに表れやすい身体的なストレス反応などを捉えるため心理的ストレス反応測定尺度も実施した21).子ども版状態不安尺度STAICは体つくり運動1時間目開始直前(Pre),体つくり運動1時間目終了直後(Post 1),体つくり運動5時間目終了直後(Post 2)とし,心理的ストレス反応測定尺度は体つくり運動1時間目開始直前(Pre),5時間目終了直後(Post)にそれぞれ実施した.Preの時点における尺度得点により子ども版状態不安尺度STAICではLow群(40?59点),Middle群(60?79点),High群(80?120点)に分けた.子ども版状態不安尺度STAICにおいての群分けに関しては先行研究による明確な線引きがなされていないため,同様の4.統計処理子ども版状態不安尺度STAIC,心理的ストレス反応測定尺度のそれぞれにおいて,1学年と2学年に分けて分析を行った(1学年男子37名,女子25名,2学年男子24名,女子24名).子ども版状態不安尺度STAICでは,High群とMiddle群のデータはシャピロ?ウィルク検定を用い正規分布していないと判断したため二元配置分散分析を用いず,フリードマン検定を行った.Low群については正規分布がみられたため一元配置分散分析を使用した.さらにHigh群においては有意な差が見られたため,対応がある場合のボンフェローニ補正をしたウイルコクソンの符号順位検定を行った.心理的ストレス反応測定尺度に関して,High群,Middle群において,シャピロ?ウィルク検定により正規性が確認されたが,標本数が少ないため(標本数1学年High群3,Middle群7,2学年High群8,? 183 ?