ブックタイトル教育医学 J.Educ.Health Sci.　第64巻　第2号　通巻 第292号

概要

教育医学 J.Educ.Health Sci.　第64巻　第2号　通巻 第292号

高校生が抱える不安やストレスに対して体つくり運動が及ぼす軽減効果Middle群6 )二元配置分散分析を用いず，ウイルコクソンの符号順位検定を用いた．Low群では正規分布がみられたため対応のあるt検定を行った．心理的ストレス反応測定尺度に関しては，下位尺度である抑うつ・不安，不機嫌・怒り，無気力についても抽出し分析を行った．High群とMiddle群においてはシャピロ?ウィルク検定により正規性が確認されなかったため二元配置分散分析を用いず，ウイルコクソンの符号順位検定を用いた．Low群においては正規性が確認されたため対応のあるt検定を行った．さらに心理的状態における体つくり運動実施前後の変化量の大きさを学年で比較するため，心理的ストレス反応尺度の下位尺度得点の変化量（Pre?Post）を算出し，この変化量の大きさを学年間で比較した．なお分析は，下位尺度別およびストレス水準別（High群，Middle群，Low群）に実施した．High群，Middle群およびLow群においてはシャピロ?ウィルク検定を用い正規性が確認されなかったため二元配置分散分析を用いず，フリードマン検定を行った．有意な差が認められたため学年間のそれぞれに有意差が認められるか確認するため，対応がない場合のボンフェローニ補正をしたウイルコクソンの符号順位検定を行った．統計学的解析には統計ソフトウェアRを使用した．有意水準は5％とした．Ⅲ．結果1．子ども版状態不安尺度STAIC子ども版状態不安尺度STAICにおいては，1学年と2学年に分けて分析を行ったところ，1学年と2学年のHigh群において体つくり運動1時間目開始直前（Pre）と比較し体表1学年と尺度得点による比較子ども版状態不安尺度STAIC1学年2学年PrePost1Post2PrePost1Post2N中央値SIQR中央値SIQR中央値SIQRN中央値SIQR中央値SIQR中央値SIQRHigh群1492.04.559.5＊9.060.0＊11.41190.07.860.0＊21.354.0＊8.0Middle群2066.04.360.017.057.511.52168.06.060.011.060.010.5Low群2850.04.059.06.857.59.11649.03.359.09.557.510.6心理的ストレス反応測定尺度1学年2学年PrePostPrePostN中央値SIQR中央値SIQRN中央値SIQR中央値SIQRHigh群334.04.325.05.5832.01.93.0＊3.4Middle群714.01.512.07.8616.01.613.010.5Low群522.03.04.05.1343.02.45.05.3＊p＜0.05；vs. Pre100.090.0**80.070.060.050.00.0Pre Post 1 Post 2HighMiddleLow図1体つくり運動実施前後における子ども版状態不安尺度STAICの1学年のみの調査結果.High Pre vs. High Post 1およびHigh Pre vs. High Post2(p<0.05)? 184 ?