ブックタイトル教育医学 J.Educ.Health Sci. 第64巻 第2号 通巻 第292号

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概要

教育医学 J.Educ.Health Sci. 第64巻 第2号 通巻 第292号

地域包括ケアシステムにおける認知症高齢患者に対するシームレスケア尺度の作成に向けて;デルファイ法による内容妥当性の検討どであった.看護職としての通算勤務年数は,13.1±8.2年であり,病院での通算勤務年数7年以上は4名(50.0%)と最も多く,教育機関での通算勤務年数7年以上は3名(37.5%)と最も多かった.2.デルファイ法にて抽出された質問項目の結果(表2)各回の評価スコアとコメント欄からの項目数の推移を述べる.1)1回目デルファイ法の結果表1対象者の属性(n=8)年齢(歳)平均値±SD37.1±11.4性別女性7(87.5)男性1(12.5)看護師8(100.0)介護支援専門員2(25.0)資格保健師1(12.5)(複数回答)社会福祉士1(12.5)救急救命士1(12.5)看護職としての通算勤務年数(教員としての勤務年数も含む)13.1±8.23?4年1(12.5)病院での通算勤務年数5?6年3(37.5)7年以上4(50.0)教育機関での通算勤務年数1年未満1(12.5)7年以上3(37.5)()は%を示す表2デルファイ法にて抽出された質問項目の結果第1回第2回第3回質問項目MSDMSDMSD〈日常生活機能を高める〉入院によるADLの低下をできるだけ防ぐ4.501.074.250.714.630.52ADLの維持・向上を目指した日々の積み重ねのケアを行う4.630.744.380.924.750.46在宅での生活状況に応じて入院中からの生活リハビリを行う4.130.744.250.714.630.52咀嚼・嚥下機能に応じた食事形態に変える4.001.314.130.644.500.53入院前にトイレで排泄していた場合は入院中にトイレでの排泄を目指す4.251.394.380.744.630.52さりげないトイレ誘導を重ね失禁を予防する4.130.994.000.934.130.83患者の排泄リズムを把握する4.130.994.130.834.250.71〈患者・家族とともに転帰先の選択〉入院当日から退院支援をし,療養先を考える4.131.364.251.044.880.35入院(転棟)時から退院支援・退院調整を開始する4.251.394.380.744.880.35家族の介護力を見極める4.380.744.130.834.500.93忙しくて介護できないなどがある場合,家族の介護力に応じた社会資源の活用を提案する4.001.314.250.894.500.53患者と家族の思いの違いに気づくよう心がける4.130.994.000.934.250.71本当のキーパーソンを見極める4.250.704.380.744.750.46入院中の情報を転帰先の機関(かかりつけ医や転院先)の施設へ伝える4.380.744.380.524.000.76在宅で患者・家族のもてる力を発揮できる効果的なケア方法を考案する4.380.744.130.644.130.64〈多職種協働〉MSWと連携し患者や家族にとって必要な情報を集める4.500.534.000.764.380.74入院早期からMSWが関わるように調整する4.750.464.130.644.630.74多職種それぞれの意見を持ち寄り,退院時カンファレンスを行う4.630.524.250.464.380.52多職種それぞれの情報をチームで共有しケアに活かす4.250.714.250.714.630.52多職種が患者の病状を理解した上で同じ目標に向かいケアを行う4.130.644.130.834.500.53入院中のADLの情報を多職種で共有し,職種ごとの役割を担う4.250.714.250.714.750.46継続的な医療的ケアを多職種でサポートする4.380.744.130.834.000.76それぞれの職種の専門性を活かした介入を行う4.500.534.380.744.380.74入院中に把握した患者の思いを多職種で共有する4.380.744.130.644.380.52患者・家族の病状理解の程度を多職種で共有する4.380.744.000.764.630.52〈認知力に応じた関わり〉できるだけ早く認知力の低下に気づき,必要な医療や介護サービスにつなげる4.250.464.000.764.000.76患者の個別性を知るように努める4.500.764.250.894.250.46尊厳を保つ関わりを心掛ける4.630.524.380.744.130.64患者が落ち着けるように環境を整える4.500.764.130.833.880.83認知症により病状を把握することが困難であるため,様々な情報からアセスメントを行う4.380.744.130.644.250.89認知症の症状に応じて,日常生活行動を整えるケアを行う4.380.524.130.834.500.53〈医療的ケアの継続〉退院後も継続的に必要な医療を受けられるようにする4.250.464.000.764.250.71入院時残薬を確認することで,在宅での内服状況のアセスメントを行う4.380.744.130.643.750.71シームレスな診療や介護を行い,ADLやQOLの維持を目指す4.380.524.250.714.250.71家族が,医療処置を継続できるように入院中に手技を習得できるよう指導する4.380.744.380.524.000.53全身状態やADLの低下に応じてケアを変化させる4.250.714.250.714.630.52*第3回デルファイ法にて文言の修正を行った個所を下線ハイライトで示す.*MSW(Medical Social Worker:医療ソーシャルワーカー)*QOL(Quality of Life)? 194 ?