ブックタイトル森林のたより 718号 2013年7月

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概要

森林のたより 718号 2013年7月

樹木医浅野明浩さん日本三大桜の一つになっています本巣市根尾の淡墨桜(国指定(大正11年10月12日)天然記念物)が開花しました。樹齢1500年以上ともいわれる長寿の淡墨桜が今年も立派な花を咲かせました。その淡墨桜を長年見守り続けてきた樹木医浅野明浩さんが、財団法人日本さくらの会が主催する平成25年度の「さくら功労者」に選ばれ表彰を受けました。この「さくら功労者」とは、さくらの保護、育成に功績のある者、さくらを通じて教育、指導に功績がある者が表彰対象の基準になっています。今回、表彰を受けた浅野明浩さんが、樹木医を取得した平成6年から現在に至るまで、淡墨桜の保護や再生作業、年間の維持管理に携わってきた保護活動の一部を紹介します。主幹内部の不定根育成主幹の空洞部分にある不定根を、おがくずを詰めた孟宗竹の中を通して地面まで誘導し、着地定根とすることで、樹勢の更なる増進を図っています。主幹部や太い枝の保護主幹や太い枝の枯死部分は腐朽が早いので、木質強化剤の散布等を行い、枯死部分の木質安定強化と過乾燥を防ぐことで、生存部の順調な生育を促しています。保護処理は次の工程で行っています。樹冠下の土壌膨軟化樹勢の維持促進を図るために、樹冠下全面に根系を張り巡らすことが理想と言われています。そこで、樹冠下に萱等でマルチングを行い、有機物補給による土壌の膨軟化を図るとともに、併せて炭を混ぜるなどの土壌改良を行い、根系範囲の拡大を図っています。また、土壌改良を行う際に、露出した根には、殺菌剤を散布し、雑菌の繁殖を防いでいます。その他の保護活動淡墨桜にとって支柱は最も重要なものであり、特に5本の太い枝を含め支える主幹も空洞になっていますので、枝の折損には特に注意を払う必要があります。支柱の取替え、冬期の雪吊りや雪下ろし作業等を行い枝の折損防止に努めています。これまで培われてきた知識や技術を活かし、県内外で様々な樹木の保護活動に参画されていますし、若い樹木医を受け入れるなどその技術の継承にも取り組んでおられます。また、本巣市文化財保護審議委員長も務められており、これからも、ますます活動の幅が広がることと、来年も淡墨桜が立派な花を咲かせることを願っています。地域の人●詳しい内容を知りたい方はTEL058ー214ー7408岐阜農林事務所まで㈲根尾開発【岐阜農林事務所山田真一】●腐朽部の削除←●殺菌剤の散布←●木質強化剤の散布←●発砲ウレタン充填・整形←●ポリエステルパテ塗布・整形←●FRP処理←●オガ粉吹き付け平成25年度「さくら功労者」表彰8MORINOTAYORI