ブックタイトル森林のたより 721号 2013年10月

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概要

森林のたより 721号 2013年10月

を受診し、30代男性と10代女性が一時入院しました。その後、全員が快方に向かい、入院した2人も翌日退院しました。原因のきのこは、調理済みの残品や中毒症状から『ツキヨタケ』と断定されました。本県は、きのこの発生に適した環境にあることから、夏から秋にかけて多くの野生きのこが発生します。しかし、毒きのこによる食中毒(以下、「きのこ中毒」とする)が多く発生するのもこの時期です。昭和42年から平成24年までの46年間で35件のきのこ中毒が県内で発生しており、残念ながら昨年もきのこ中毒が1件発生しました。平成24年10月22日に発生したきのこ中毒は、飛騨市神岡町の60代男性が富山市内の山林で採取した野生きのこを家族6人が夕食に食べたところ、男性を含む4人が嘔吐や腹痛などの食中毒症状を訴えました。すぐに飛騨市内の医療機関このきのこは、県内で発生したきのこ中毒35件の内20件(57%)と最も多くの被害が報告されているものです。判別法ですが、写真のようにきのこを縦に裂くと柄の付け根に『黒紫色のシミ』があるという特徴があります。広葉樹の倒木に重なり合って発生し、食用のシイタケと間違って食べることが多いので、食べる前には外見等を観察し、柄の根元のシミを再度確認しましょう。一般に毒きのこに共通する特徴はなく、簡単な判別法もないことから、毒きのこを一つ一つ覚えることが重要です。昨年の「森林のたより10月号」では、県内で発生したきのこ中毒の中で最も中毒事例の多い『ツキヨタケ』と県内で唯一死亡事例が報告された『ドクツルタケ』、手で触るとかぶれるなど話題となった『カエンタケ』について紹介しました。そこで、今回は毒きのこの正しい知識を再度認識していただくため、県内で発生したきのこ中毒の原因きのこである『クサウラベニタケ』、『ニガクリタケ』、『カキシメジ』の3種について特徴と見分け方を紹介します。『クサウラベニタケ』このきのこは、本県で発生したきのこ中毒35件の内2件と少ないですが、全国ではツキヨタケに次いで2番目に多い中毒例が報告されているものです。夏から秋にコナラやシイなどの広葉樹林やマツの混じった林内の地上に多く発生します。傘は灰色から黄土色で湿っている時は粘性があり、乾くと絹糸のような光沢が現れます。柄は5?10cmで白色です。傘の裏のひだは、傘が開くと写真のように赤く色づくのが特徴です。ツキヨタケの断面ツキヨタケの発生状況毒きのこには注意しましょうきのこ中毒の原因きのこと件数(岐阜県)1222266--原因きのこツキヨタケドクツルタケクサウラベニタケニガクリタケカキシメジイッポンシメジシロタマゴテングタケ不明合計件数20222211535クサウラベニタケ順位4MORINOTAYORI