ブックタイトル森林のたより 726号 2014年03月

ページ
10/18

このページは 森林のたより 726号 2014年03月 の電子ブックに掲載されている10ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

森林のたより 726号 2014年03月

はじめに県では、岐阜県森林づくり基本計画に基づき、県産材の利用の拡大に取り組んでいます。具体的には、木材利用の多くを占める住宅への利用を図る「県産材住宅の建設促進」、県民の皆様が利用する公共施設の木造化・内装木質化や土木工事における間伐材の利用を進める「公共施設・土木工事での県産材の利用の拡大」を中心に、県産材の利用促進を行っています。戦後植えられた県内の森林の多くが伐採時期を迎え、今後素材生産量が増加(平成22年:32万5千m3↓平成28年:50万m3)する見込みであり、住宅や公共施設以外への県産材への需要を拡大させていくことも求められます。今回(平成25年12月)、関東から関西まで幅広く住宅建設や神社仏閣建築に取り組んでいる県内建築事業者による首都圏における神社仏閣建築(建築中)の事例を視察する機会がありましたので報告します。ヒノキ等をふんだんに使用●大光寺(埼玉県さいたま市岩槻区)は、観音堂・客殿・書院・庫裏がつながった、木造一部2階建て、延床面積793・5m2(240坪)の大きな施設です。柱、梁の構造材、造作材ともにヒノキが約5割使用されています。その他スギ・マツを含めると、総木材使用量263・7m3のうち、約65%に国産材(県産材)が使用されています。●来迎寺(東京都足立区)では、木造多宝塔が建設されています。延べ床面積は21・52m2(6・51坪)ほどですが、二層になった塔のほぼ全てがヒノキで建設されています。(木材使用量:約75m3)●海源寺(神奈川県海老名市)では、本堂・客殿(延べ床面積731・2m2(221・2坪))が建設されています。本堂の柱・梁には無節で目が詰まった高品質なケヤキを使用しています。また、本堂の入口や内部の梁には、龍などの見事な彫刻がほどこしてあり、木造の良さを引き立てています。総木材使用量282・7m3のうち、ヒノキ107m3、スギ57m3、ケヤキ30m3が使用されています。飛騨の匠の技術を活かした素晴らしい出来となっています。今後の見込み寺社は、一般住宅に比べ施設規模が大きく、高品質な大径材を大量に使うなど、一件当たりの木材使用量も増します。「岐阜県産材の良さ」や「飛騨の匠の技術」による建築物の素晴らしさを広く知っていただき、県産材の神社仏閣等への利用が増すことを願っています。【県産材流通課栗山淳】大光寺(埼玉県さいたま市)大光寺(観音堂)海源寺(神奈川県海老名市)本堂海源寺本堂(内観)来迎寺(東京都足立区)多宝塔●詳しい内容を知りたい方はTEL058-272-8483県産材流通課まで神社仏閣への県産材利用10MORINOTAYORI