ブックタイトル森林のたより 726号 2014年03月
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森林のたより 726号 2014年03月
地域の人「山の駅ふくべ」美濃市の景勝地として知られる片知渓谷の源流部で、地元住民参加による水源林保全と森林利活用の取り組みが進められている。その主体となっているのは、林業グループ「山の駅ふくべ」。小椋將道さんは、その代表を務める。「山の駅ふくべ」は、地元住民が中心となり平成二十四年度に結成された。現在、43名のメンバーが所属し、薪作り、炭焼き、シイタケ原木生産など森林資源の活用に必要な知識・技術の習得とその実践活動を行っている。これらの活動は、地元を拠点に活動するNPO法人「杣の杜学舎」(代表理事鈴木章氏)が支援を行うほか、メンバーの人脈を通じ森林文化アカデミー等とも連携し行われている。最近では、片知地区で和傘づくりに欠かせない良質なエゴノキが育つ林分が確認され、持続的供給を目指す取り組みが始まり、和傘業界の注目を集めている。分収林払下げの取り組み小椋さんは、美濃市片知生まれの片知育ちで、就職のため一時、美濃市を離れたが、40代で地元に戻られた。その際、区有林の管理委員を引き受けたことが地域の森林とかかわるきっかけとなった。現在は、区有林管理委員長、地元財産区議長、美濃市森の環境づくり推進委員も務められる。片知地区の森林は、昭和30年代まで主に薪炭林として活用されてきた。その後、燃料需要の変化を受け、国や森林開発公団(現(独)森林総合研究所)等との分収契約による人工林化が積極的に進められ、現在は、約600haのスギ・ヒノキ林が成林し、地域の水源林としてもその役割を果たしている。一方で、これらの分収林は、間もなく契約満了を迎える。満了時には、伐採が行われ収益が分配されることになるが、地元には、皆伐された森林が残される。森が再生するまでは水源林としての機能は低下し、再造林も木材価格や獣害の現状を考えると容易なことではない。こうした状況を憂慮した小椋さんは、地域の課題として美濃市森の環境づくり推進委員会(市町村管理委員会)に問題提起し、市当局と連携して、国、(独)森林総合研究所(旧緑資源公団)との話し合いを重ねてきた。その中で、契約の解除(払下げ)・延長、小面積区分皆伐などの手法が検討された結果、国との分収林では、立木を残した状態で契約を解除することとなり、区有林20ha、市有林9haの払下げ手続きがこれまでに終了している。また、(独)森林総合研究所との間では契約期間を延長し、環境負荷に配慮した小面積区分皆伐が行われている。地域の分収林面積からすれば、まだわずかで、課題も残しているが、これらの成果が、モデルケースとなり取り組みがさらに広がることを小椋さんは願う。・・・・・・・・・・・・・・林内に巨岩が散在する片知渓谷のボルダリングスポットとしての森林空間整備、かつて紙漉きに使われた水車や用水を活用した小型水力発電など、小椋さんのアイディアは膨らむ。今後の、益々のご活躍を期待したい。●詳しい内容を知りたい方はTEL0575ー33ー4011内線(230)中濃農林事務所【中濃農林事務所伊佐治彰祥】林業グループ「山の駅ふくべ」▲「山の駅ふくべ」薪作り活動活動▲片知渓谷源流部から美濃市街を望む代表小椋將道さんおぐらまさみち12MORINOTAYORI