ブックタイトル森林のたより 727号 2014年04月
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森林のたより 727号 2014年04月
生物多様性保全シリーズ3いのちを活かし暮らしにつなぐ生物多様性には「生態系サービス」と呼ばれる重要な役割があります。この中には、酸素、水、食料といった命や生活を支える物質の供給や、自然と人間が共生する中で育まれる文化的なサービスも含まれます。岐阜県の先人も、森林、里山、河川からの産物により代々命を繋ぎ、長良川の鵜飼いや、飛騨の匠の伝統技術など、自然との共生の中で様々な文化を育んできました。県が定めた「生物多様性ぎふ戦略」にも、『人間も自然の一部であることを理解し、他の生物から人間の暮らしが受ける恩恵をよく考え、賢く利用し、互いに損なうことなく、生物多様性を守りたい』と記しています。この戦略の中で、近年注目されている、エコツーリズム、グリーンツーリズムの振興や、森林、里地里山の産物について持続可能な利活用を呼びかけています。生物多様性の保全のためには、人間が適切に関わるこ自然を満喫するエコツーリズムとが必要であることをを認識して行動することが大切です。(「NPO法人飛騨小坂200滝」提供)【自然環境保全課安藤英之】●詳しい内容を知りたい方はTEL058-272-1111内線(2700)自然環境保全課まで岐阜県の治山事業の紹介8「恵那農林事務所管内の治山事業」今回は、当管内最大の崩壊地を有する恵那山系における治山事業について紹介します。日本百名山の1つである恵那山の麓には、同山を源とする「中津川」が中津川市街地を貫流しています。この流域は、古くから河川の氾濫や土石流により多大な被害を受けてきました。中でも、昭和7年に市街地を襲った「四ツ目川(中津川支流)災害」では、人的被害2名、家屋被害308戸という甚大な被害をもたらしました。【写真1】この中津川流域源流の恵那山系における治山事業は、四ツ目川災害から20年を経た昭和26年頃から正ヶ根谷を中心に本格的に始まり、これまでに治山ダム122基、山腹工15箇所を施工してきました。その結果、当時約40haあった荒廃地が現在では約10haと4分の1程度までに減少しています。【写真2,3】施工地には、半世紀前の施工による石積で作られたもの【写真1】【写真4】(堤高10m超)から、県下最大級(堤長108m、堤高14m)のものまでを含めダム群を形成し、下流への土砂流出を抑え石積全面ています。中でも昭和20年代に施工した石積治山ダムは、現地にて採取した岩を3 0 c mに「はつり」加工し、治山ダムの面として積み上げて造られたものです。半世紀たった今でも治山ダムとしての機能を損なうことなく、地域防災の一翼を担っています。【写真4】現在の中津川流域は、今なお降雨等で山腹崩壊地の拡大が進んでいる荒廃地であるため、平成24年度から水源森林再生対策事業を実施しています。一方、地元では過去四ツ目川災害「中津川ホームページ」より【写真2】【写真3】の災害経験に基づき中津地区災害対策協議会を発足させ、四ツ目川災害の祈念祭や講演会を毎年、開催しており、災害の記憶を引継ぎ、今後の災害対応に反映させるための取り組みも行われています。今後も、関係団体との連携と地域住民の協力のもと、地域の安全・安心な暮らしと、百名山「恵那山」と清流「中津川」を守るため、森林の維持・造成と荒廃地の復旧事業を進めていきます。正ヶ根谷の状況1971(S46)2009(H21)【恵那農林事務所長澤康弘】●詳しい内容を知りたい方はTEL0573-26-1111内線(310)恵那農林事務所までMORINOTAYORI10