ブックタイトル森林のたより 736号 2015年01月
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森林のたより 736号 2015年01月
■岐阜県森林技術開発・普及コンソーシアム事務局中島太ドイツ・オーストリア視察報告同大学にて、教育及び学術交流強化のための覚書を締結しました。覚書の締結式には、岐阜県側から古田知事、洞口県議会議長以下、コンソーシアム会員ら22名が参加し、BW州側からは、テレジア・バウアー科学・研究・芸あけましておめでとうございます。昨年9月19日に設立された「岐阜県森林技術開発・普及コンソーシアム(以下、コンソーシアム)」では、欧州の先進的な林業・木材産業に学ぶため、また、時期を同じく実施された岐阜県立森林文化アカデミー(以下、アカデミー)とドイツ・ロッテンブルク林業単科大学(以下、ロッテンブルク大学)による覚書締結式に参加するため、平成26年11月、ドイツ・バーデンビュルテンベルク州(以下、BW州)とオーストリア・シュタイアーマルク州を訪問しました。今回訪問したドイツ・オーストリアでは、人材育成、木材生産、製材加工等を中心に視察調査が行われました。ロッテンブルク大学との覚書締結平成25年5月、県とドイツのBW州は、エネルギー分野と森林・林業分野における協力関係を強化するための覚書を締結しました。これを受けて昨年11月10日(月)、アカデミー(涌井史郎学長)とロッテンブルク大学(バスチアン・カイザー学長)が術省大臣や地元ロッテンブルク市のネーア市長らが同席しました。両学長が取り交わした覚書には、学術プログラムや教育コースの共同開発、教員や学生の相互訪問・交流等に関する連携の拡大が盛り込まれており、今後は同大学から教員を招聘し、アカデミーの学生向け集中講義や県内の林業関係・実務者を対象とした研修会の開催等に取り組むことが期待されます。また、覚書締結後には、両学長や知事、大学関係者等による懇談が行われ、参加者からは「森林の社会的な価値向上に貢献する両校の取り組みには、産学官による連携が欠かせない」等の意見が交わされました。そして会談後には、同大学講堂にて映像とビームライフルを使った狩猟に関する模擬講義に参加し、一連の覚書締結の行事日程を終えました。ロッテンブルク大学の再訪翌日にロッテンブルク大学を再訪し、カイザー学長から校内施設や研究内容に関する説明を受けました。チェーンソー防護服に関する研究では、民間企業が同大学に切創試験を依頼し性能認証を求めていること、バイオマス関係ではペレット材料の配合具合や薪ストーブ(EU全体で約6,500万機が普及)の煤煙削減や焼却灰の処理に関する研究を行っているそうです。いずれの研究も民間企業等との連携により資金援助を受けており、こうした産学官連携のプロジェクトを通じて業界ニーズに迅速に対応し、また特許を取得しているとのことでした。チュービンゲン林業事務所BW州林業庁の現地機関であるチュービンゲン林業事務所では、シュトリット・マッター所長から、州有林や市有林、民有林を対象に木材の生産販売やレクリエーションに関する年間計画を作成し実行管理までを行うほか、州有林においては32万9千haから年間250万m3(7.6m3/ha)の木材を生産販売、また森林技術者の育成状況等に関する取り組みについて説明を受けました。その後の意見交換では、岐阜県側から「林業技術者の確保に苦労は無いか」との質問が出ましたが、同席したロッテンブルク大学のハイン教授からは「ドイツでは、田舎でも教育・医療機関が一通り揃っていて都市部と遜色ない暮らしができることや70年ほど前から環境教育に取り組んできたため若者は自然を身近なものと感じており、地元で生活するのが当たり前という意識がある。こうした日本とは異なる社会構造が前提にある」との説明▲ロッテンブルク林業単科大学▲覚書締結(ロッテンブルク林業単科大学)MORINOTAYORI 18