ブックタイトル森林のたより 736号 2015年01月

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概要

森林のたより 736号 2015年01月

新年あけましておめでとうございます。皆様には、健やかに新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。昨年を振り返りますと、8月には記録的な豪雨により、中濃や飛騨地域を中心に山腹崩壊や土砂流出など甚大な被害が発生しました。また、9月には御嶽山が噴火し、火山災害としては戦後最悪の被害をもたらしました。被災された皆様に心からお見舞いを申し上げます。県では、現在、県民の生命・財産を守るため「岐阜県強靭化計画」を策定しているところであり、林政部関係では、治山ダム等の整備・機能強化、林道の点検診断、間伐の事業の拡大による針広混交林化等を進めていく予定です。さて、県では、「第2期岐阜県森林づくり基本計画」に基づき、林業活動を重視した「生きた森林づくり」と、環境保全を重視した「恵みの森林づくり」に取り組んでいます。「生きた森林づくり」では、瑞穂市の木質バイオマス発電施設が12月に操業を開始し、郡上市では本年中の稼働に向け大型製材工場の整備が進められています。また、昨年9月には、林業の成長産業化を目指し、産学官が連携することで林業・木材産業関係者の製品企画力や技術開発力の向上等を図る「岐阜県森林技術開発・普及コンソーシアム」が設立され、11月には、世界水準の高度な森林技術の導入・普及を目的として、森林文化アカデミーとドイツのロッテンブルク大学との連携覚書が締結されました。一方、「恵みの森林づくり」では、「清流の国ぎふ森林・環境税」を活用しながら、水源林や里山林の整備・保全など森林の持つ公益的機能を高める事業をはじめ、「ぎふ木育」による積極的な人づくりの推進など、多くの県民参加型の施策を進めてまいりました。人工林が本格的な利用期を迎え、多様で健全な森林づくりが必要となる中、今後は、次世代型架線集材による木材生産体制の強化や、国内外をターゲットとした木材の販路開拓、森林再生のための獣害対策を含めた低コスト造林の技術普及とこれに必要な苗木の供給体制整備等により、環境と共存した林業の成長産業化に向けた取組みを進めたいと考えております。また、今年の秋にはいよいよ全国育樹祭を開催しますが、親から子へ、子から孫へと、森林を守り育てることの大切さを次の世代に伝える象徴的な行事とするため、県民総参加の「オール岐阜県」体制で取り組んで行きたいと考えております。皆様の積極的なご協力をお願いいたします。最後になりましたが、本年が本県の森林・林業・木材産業の飛躍の年となりますよう祈念申し上げ、年頭のごあいさつとさせていただきます。年頭のごあいさつ岐阜県林政部長瀬上繁隆新年あけましておめでとうございます。謹んで新春のお喜びを申しあげます。さて、平成26年も多くの出来事がありました。4月の消費税引き上げによるGDPのマイナス成長。27年10月に想定されていた消費税の10%への再引き上げ時期の先延ばし。こうした政策の是非を問う衆議院の解散と総選挙。自然災害では、2月の関東を中心とした大雪、8月の広島県の土砂災害、9月の御嶽山の噴火、11月の長野県北部での直下型地震など大きな災害が発生し、多くの方々が犠牲になっておられます。謹んでお悔やみとお見舞いを申し上げたいと思います。岐阜県においても2月の大雪では、普段雪の少ない東濃地方が被害を受け、8月豪雨では、高山市などに大きな被害が出ています。このように政治・経済の不透明感に加え、異常気象ともいえる災害が多発した年でもありました。さらに、日本の将来を考える上での大きな課題としての人口減少がありますが、山村地域では、既に高齢化、人口減少が進み、野生鳥獣の被害の増加など様々な現実の課題に直面しています。地方創生が叫ばれていますが、まさに今、地方の活力増強が必要とされています。山村地域を多く抱える岐阜県にとって、山村を活性化させるには、安心して暮らすための国土強靱化対策の強化はもとより、広大な面積を占める森林を資源として活用することが不可欠です。持続可能な林業経営の構築、地域と共存できる里山の再生、野生鳥獣の食用への活用などによる適正管理、流域の水源を守る水源林の管理など、これまで以上の充実が求められています。森林を守り、山村地域を活性化させることが、「清流の国ぎふ」づくりの根幹ではないかと考えます。持続可能な林業経営の構築に不可欠の安定した木材需要先を確保するため、県内では、合板工場や木質バイオマス発電施設が稼働し、大型製材工場の整備も進められています。また、林業機械の導入や作業道の整備なども着実に進んでいます。一方、水源林や里山林については、「清流の国ぎふ森林・環境税」や国の「森林・山村多面的機能発揮対策」などを活用した整備が進められています。さらに、野生鳥獣を食用とする取り組みも始まっています。しかし、こうした取り組みを山村の活性化に結びつけ、継続していくためには山村に住む人ばかりではなく、都会に住む人々の理解・協力も欠かせません。今年の秋には、揖斐川町において「第39回全国育樹祭」が開催されます。全国育樹祭開催を契機に、県民の皆さんが自然との関わりをもう一度見直し、それぞれの立場でこの「清流の国ぎふ」を守り育て、未来に引き継いでいくための行動が広がっていくことを願ってやみません。山林協会としましても、この「森林のたより」を通じ、森林や自然環境に関する行政や様々な活動団体の動き、新しい技術や知見などを県民の皆さんにお伝えするなど、県民の皆さんや森林・林業の現場と行政との架け橋として、森林を守り、山村地域を活性化し、清流を保全する「清流の国ぎふ」づくりのための活動を充実させていきます。皆様方の一層のご支援をお願いしますとともに、新しい年が皆様方にとって幸多い年でありますことを祈念し、新年の挨拶とさせていただきます。新年のごあいさつ(公社)岐阜県山林協会会長日置敏明MORINOTAYORI 4