ブックタイトル森林のたより 736号 2015年01月

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概要

森林のたより 736号 2015年01月

地域の人木材価格の低迷や森林内での厳しい労働条件から、林業現場で従事する従事者数はここ数年、横ばい傾向にあります。一方、県では成熟しつつある人工林について「伐って、利用する」という林業活動を通して「生きた森林づくり」を進めており、今後、木材生産量を拡大させていくためには、林業技術者の養成は必須と言えます。このため県では、基礎教育に重点を置きつつ一般教養から専門基礎まで集中的に学習することで、森林についての幅広い知識と森林の現場で必要な実践技術をもったジェネラリストを養成するため、森林文化アカデミーに森と木のエンジニア科を設置しています。今回はこの森林文化アカデミーを二年前に卒業し、当管内の本巣市に本社を置く(有)根尾開発に就職し、若手の伐倒担当として意欲的に働く大洞詠右(おおぼらえいすけ)さんを紹介します。森林文化アカデミーに入学したわけ大洞さんは小学校から高校まで水泳を中心とした生活を送っていました。また自然環境にも興味を持つ一方で、子供を相手にすることも好きでした。従って、将来はできれば水泳を通して子供を対象として教育できる教師になれたらとも考えていました。岐阜農林高校三年生となって、先生から森林や林業について学べる森林文化アカデミーの話を聞く中で、同校に興味を持ちました。そして、念願かなって入学したアカデミーでは、実践・現場主義の教育方針のもとで大変楽しく充実した学生生活を送り、特に立木をチェンソーで伐倒する感触が自分の感性になじんでいることに気付きました。(有)根尾開発の伐採担当として就職いつしか自分の感性になじんだ林業に就きたいとの思いと同時に、幼いころから実家の北西にいつも見えていた能郷白山(標高一六一七m)の近くでそんな仕事に就きたいとの思いが、大洞さんの中で強くなっていきました。そんな中で、森林文化アカデミーの教官から根尾地区を中心に森林整備事業を展開する(有)根尾開発の存在を教えてもらい就職し、伐採に携わることとなったとのことでした。伐倒担当として活躍就職して二年、今では班長を含め三名体制で伐倒を行う毎日。立木を伐倒したい方向にチェンソーで切り口を入れ、逆の位置に追い口を入れる。最初は恐る恐るチェンソーを扱っていましたが、最初の頃ほど恐れは少なくなり、伐倒方向の成功率は7割まで行くか行かないかまで上達しました。また、最初は慣れない山歩きで先輩についていくのが精一杯でしたが、水泳で鍛えた体力と気力で苦にならなくなりました。一番注意をしていることが、安全面への配慮で、これは先輩職員から嫌というほど叩き込まれたとのことです。本人は「そろそろ『半人前』と言っても良いのかなあ」と自身を評価していました。これからも本人は「まだ時間はかかるだろうけど針葉樹だけでなく伐倒の難しい広葉樹も扱えるよう早く一人前になりたい」と言っていました。本人への取材を終え、仕事場に戻る車中でこの実直な若者が事故のないよう早く一人前に育ってほしいと強く願うばかりでした。●詳しい内容を知りたい方はTEL058ー214ー7409岐阜農林事務所まで【岐阜農林事務所武藤茂】(有)根尾開発大洞詠右さんMORINOTAYORIMORINOTAYORI9