ブックタイトル森林のたより 742号 2015年07月

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概要

森林のたより 742号 2015年07月

■森林文化アカデミー森林技術開発・支援センター伊佐治彰祥普及コーナー期待がふくらむコンテナ苗民国連携で国有林先進技術を学ぶ~林業普及指導員等資質向上研修開催~コンテナ苗先進技術を学ぶ岐阜県では、大型製材工場、合板工場、木質バイオマス発電などの施設整備が進み、A材からD材まで木材資源を有効に活用できる環境が整いつつあります。今後は、皆伐の増加が予想され、伐って植えるという木材資源の持続性の確保が重要な課題となってきます。一方で、県内では植林に必要な苗木の不足が心配されており、これに対応するため、再造林の低コスト化も期待できるコンテナ苗の安定供給に向けた取り組みが、県下各地で始まっています。このような状況の中、県森林技術開発・支援センターでは、林業普及指導職員、森林整備担当職員等を対象に、下呂市小坂町においてコンテナ苗の技術研修会を開催しました。研修にあたっては、県内の民有林にコンテナ苗の植栽実績がほとんどないことから、いち早くコンテナ苗の活用に取り組まれている岐阜森林管理署(森川誠道署長)に協力をお願いし、座学会場、実習会場を提供いただくとともに、担当技官からご指導をいただきました。コンテナ苗の実際コンテナ苗、低コスト造林、獣害対策等の技術、情報の一端を紹介します。●コンテナ苗利用状況・全国の国有林では、H21~26年度までに約191万本のコンテナ苗が植えられた。中部森林管理局管内では、約17万8千本が植えられており、今年度は約23万本の植栽が予定されている。・管内でのコンテナ苗比率は年々増加する傾向にあり、H27年度は55%、H28年度(要望)は80%に達する見込み。●従来苗とコンテナ苗の比較等・苗木生産では、多孔式コンテナ(マルチキャビティコンテナ)を使用するためハウス等での大量生産が可能で、苗の取扱いも効率的。・育苗作業は季節的な制約が少なく、植栽も培地付苗のため植付時期の制約が従来苗より少ない。・コンテナサイズは、容量300cc、24穴タイプと、150cc、40穴タイプの2種類が今のところ多く、価格は730円/枚。・価格は従来苗が100円/本程度に対し、コンテナ苗は170円/本程度。・重量は、300ccタイプのスギ苗で約200グラム。重量は根鉢の水分量に左右される。・植穴内壁のリブ(ひだ)により根巻きが抑制され、底部のグリッド(格子)により空気根切りがされ、根系の変形が起きにくい。・現在流通するコンテナ苗は、根鉢材料の違いから崩れ易いものがある等、品質にバラツキがあり均質化が望まれる。・現場はコンパクトで軽い苗を望んでおり、小型化や育苗期間短縮の研究森川岐阜森林管理署長あいさつヒノキコンテナ苗(左300cc右150cc)植穴に施されたリブとグリッドマルチキャビティコンテナ(奥150cc、手前300cc)とヒノキ150ccコンテナ苗MORINOTAYORI 18