ブックタイトル森林のたより 742号 2015年07月
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森林のたより 742号 2015年07月
●詳しい内容を知りたい方はTEL0575ー35ー2535森林技術開発・支援センターまではじめに今回は、昨年七月に私が参加したオーストリア架線研修の期間中にタワーヤーダを使った木材生産の現場を幾つか訪問し、森林専門作業員の方々と意見交換しましたのでご紹介します。木材生産の現場から今回の研修期間中、3か所の現場で森林専門作業員の方々から話を聞くことが出来ました。そのうちの1箇所目は、現場実習として参加しました。作業員は2名で、研修では、彼らが保有する新車のコンビマシン(H27年5月号で紹介したハーベスタとタワーヤーダが備わった高性能林業機械)を使用しました。オーストリアでは、機械導入は、補助金ではなく、融資制度で対応しているため、導入から高額な林業機械代金の返済が終わるまでが、踏ん張りどころのようです。他の2か所の現場も、高速道路を使って1時間圏内で移動出来るエリアにあり、移動中にもタワーヤーダ作業の現場や作業後の伐採跡が多く見られ、タワーヤーダが普及していることが分かりました。その一方で、比較的規模の大きな車両系システムや雪害処理の現場は、北欧やドイツ等の大規模な林業会社が、最新のハーベスタやフォワーダなどの車両系高性能マシンを持ち込んで、行っているようです。現場の規模や傾斜条件等に合った機械で、作業が出来る事業体が現場を担う、という欧州全体での分業が出来ているようです。現場で聞いた苦労話では、製材工場への出荷が突然、入荷停止となり、これを小規模な3か所の工場に出荷して急場をしのいでいるとのことで、出荷先を確保する苦労は国を問わず同じようでした。終わりに研修期間中、ピヒル森林研修所の教官たちと意見交換しましたが、現場の林業作業員のモチベーションを維持していくことが何よりも大切だ、という認識を持っておられました。林業作業員は、木材生産の現場において、経営感覚と専門的な技術と知識が求められます。我が国においても、今後、益々必要とされる架線系システムを担う技術者を持続的に育てていくには、社会における林業の仕事内容の認知度の向上と、欧州のような森林専門作業員やフォレスター等の体系的な資格制度の創設と職業専門研修の充実を行い、単なる収入アップではなく、林業技術者全体の社会的地位の確立が欠かせないと考えます。▲現場実習の受け入れ林業会社の班長▲大径材の造材作業を行う林業作業員▲高速道路から見られた架線集材跡地▲現場訪問した林業事業体の林業作業員次世代型林業架線技術の普及4【森林文化アカデミー林業普及指導員和田将也】MORINOTAYORIMORINOTAYORI 20